欧州中央銀行(ECB)の当局者らは昨年12月の会合で、量的緩和(QE)プログラムの軌道をめぐり活発に意見を戦わせたもようだ。ユーロ圏のインフレ率上昇に伴い、今後さらに緊迫した論争が予想される。

  12日に公表された昨年12月7、8両日の政策委員会の議事要旨によると、政策委は総じて「インフレ率が緩やかな上昇トレンドを描くというシナリオは依然かなりの程度、緩和的な金融政策の下支えに依存している」との見解で一致した。一方、この金融緩和を維持する方法については意見が分かれた。チーフエコノミストのプラート理事は債券購入を月額800億ユーロで維持しつつ今年3月としていた期限から6カ月延長する案と、月600億ユーロにペースを落として9カ月延長する案の二つを提示した。

  議事要旨によれば、「何人かは前者の案への支持を表明したが、後者への支持が総意であれば加わる用意があると言明」し、「何人かはいずれの案も支持しなかった」という。

  また、一部の当局者は後者の案よりもさらに長くプログラムを延長することを主張し、「市場でのユーロシステムの持続的なプレゼンスを強化することにより、ユーロ圏の回復をより長く、生じ得る悪影響から守ることができる」と論じた。政策委員会は必要があれば購入プログラムを再び拡大することが可能だとの考えで同意した。

  一方で、購入ペースの月600億ユーロへの修正と短い期間延長を組み合わせる案も提示されたという。最終決定は「自信を示すことと不確実な環境で安定を維持する必要との間で、適切なバランスを取ったものだと見なされた」と議事要旨は説明。「逆境に対応するための柔軟性と、実行していける可能性の確保」の点で明らかに利点があるとの評価だ。クーレ理事も後者の案が望ましいとの考えを示した。

  コアインフレ率は依然として低いものの、総合インフレ率の上昇が賃金上昇につながる可能性も当局者らは認識している。「賃上げ交渉のプロセスはこれまで極めて低調だったが、実質賃金が増えていない、あるいは減っていることに労働者が気付けばこれが変わる可能性がある」と分析し、「労働市場ではこれまで良い意味で驚かされる展開が繰り返し起きている。このため予想以上に力強い動きが続く公算もある」と指摘した。

  ECBは来週、政策決定会合を開く。

原題:ECB Stimulus Disagreements Signal Vigorous Debates Ahead (1)(抜粋)

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