欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドルが続落、選挙後の動きは行き過ぎだったとの見方で

  12日のニューヨーク外国為替市場ではドルが続落。大統領選後の動きは行き過ぎだったとの見方からドル売りが続いた。アジア市場の取引時間帯に大きく下げた後、ドル買い持ち解消の動きは弱まった。ただ、新規のドル買いが入る状況でもまだないようだ。

  ここ数日は騒がしい取引となっているが、ドル強気の基本的なマインドは変わっていない、あるいは少なくとも今のところ大きくは変わっていないとトレーダーやアナリストは繰り返しており、そのトーンにほとんど変化がないことは注目に値する。同時に、押し目でドル買いを入れる適切な時期でもないとみられている。1月はその動きが1年を決定づけるわけではないが、信頼感が揺らぎかねない値動きの荒い月として知られている。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは円に対して前日比0.6%下落して1ドル=114円72銭。ユーロに対しては0.3%安の1ユーロ=1.0613ドル。ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.5%低下した。

  季節的なトレンドはドル強気の見方に一理あることを示唆している。以下のチャートは年初にドルが軟調になる傾向があることを示している。

  トレーダーによると、景気刺激策が講じられれば金融引き締めのペースが速まるとの見方から、利上げの時期はなお不透明ながらドルの全般的な見通しは変わっていない。ただ、ドル強気派は実際にはまだドル買いをほとんど始めていないという。

  モルガン・スタンレーのハンス・レデカー氏率いるストラテジストはドルの対円での下落について、リフレ取引が行き詰まったことを意味しないとリポートで指摘。「印象とは裏腹に、リフレ取引は順調」で、ドルの対円での下げは辛抱できない投資家による「ポジション調整の範囲にすぎない」と論じた。TDのストラテジストは対ドルでのユーロについて、この日売り持ちが手じまわざるを得なかったが、再び売り立てる水準を探っていると説明した。

  ドルは対円でアジア時間に113円76銭まで下落した。ロンドンのトレーダーによると、マクロ系の投資家がドル買い持ちを積み増そうとしているため、113円ちょうどに下げる前に買いが入るとみられている。
原題:Dollar Drop Doesn’t Deter Patient Bulls; Seasonals Support Case(抜粋)
U.S. Stocks Pare Drop, Dollar Weakens as Oil Gains: Markets Wrap(抜粋)

◎米国株:下落、トランプ氏会見内容を見極め-半導体、金融安い

  12日の米国株は下落。前日のトランプ次期米大統領の発言内容を見極めようとする動きが広がった。バイオテクノロジー関連は朝方の下げから転じて上昇。半導体や金融は下落した。マイクロン・テクノロジーやアドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)はいずれも下落した。

  トランプ氏は選挙後初めて開いた前日の記者会見で、バイオテクノロジー業界は「より競争力の高い入札」が必要との見解を示した。

  S&P500種株価指数は前日比0.2%下げて2270.44。ダウ工業株30種平均は63.28ドル(0.3%)下げて19891.00ドル。ナスダック総合指数は0.3%安。前日までは7営業日連続高で最高値を更新した。

  S&P500種産業別11指数のうち7指数が下落。特に金融やテクノロジー銘柄が売られた。アナリストがアップルの利益予想を引き下げたほか、ゴールドマン・サックス・グループが半導体業界に慎重な見方を示したことが売りを招いた。

  ヘルスケア関連銘柄はほぼ変わらず。ナスダック・バイオテック指数は0.4%上昇。一時は1.1%下落した。

  シカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティ指数(VIX)はこの日2.5%上昇した。

  トランプ氏は生産拠点を米国外に移す米企業に多額の税を課すとの公約を強調した。アリアンツ・グローバル・インベスターズのグローバルストラテジスト、ニール・ドウェイン氏は国境税が課され、それに伴いドルが10%上昇した場合、より多くの企業が米国へと戻ってくるだろうと述べた。
原題:U.S. Stocks Decline With Banks After Europe Markets Close Lower(抜粋)

◎米国債:イールドカーブがスティープ化-30年債入札は需要低調

  12日の米国債市場ではイールドカーブがスティープ化。30年債入札(発行額120億ドル)では需要が低調だった。

  プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)以外の直接入札者の落札全体に占める比率は4.5%と、2009年以降で最低。入札への参加が義務づけられているプライマリーディーラーの占める比率は28.8%と、前回の26.8%から上昇した。

  ニューヨーク時間午後4時半時点で、5年債と30年債の利回り格差(イールドカーブ)は2.8ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)拡大し、109.71bp。

  10年債利回りは4時59分現在、前日比1bp低下の2.36%。一時6.7bp下げて昨年11月30日以来の低水準を付ける場面もあった。このままいけば週間ベースでは7月以降で初の4週続伸となる。トランプ次期米大統領が最優先とする政策に、経済成長押し上げを狙った財政面での刺激策が含まれるとの見方が後退した。

  ホイジントン・インベストメント・マネジメントのバン・R・ホイジントン氏とレーシー・ハント氏は四半期ごとの投資家向けリポートで、トランプ氏の大統領選勝利後には財政政策への期待から米金融市場では「激しい反応」が見られたが、そうした反応は「意図しない形での悪影響および完全な失敗」に終わるリスクを過小評価していると指摘した。

  ダラス連銀のカプラン総裁は、恐らく2017年には、バランスシートの縮小をどのような形で開始するかについて議論すべきだと述べた。同総裁は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持つ。
原題:Treasuries Yield Curve Steepens After Mixed Long-Bond Auction(抜粋)
原題:Poor U.S. Growth Outlook Points to 2% UST 30Y Yield: Hoisington(抜粋)
原題:USTs Bull Steepen; Gains Pared After 30Y Auction Tails(抜粋)  

◎NY金:続伸、一時1200ドル超え-トランプ氏の政策見えずドルが下落

  12日のニューヨーク金先物相場は続伸し、7週間ぶり高値。金連動型ファンドに投資資金が戻ってきた。前日に開かれたトランプ次期米大統領の記者会見で経済刺激策に関する詳細がほとんど示されなかったことに失望し、ドルが下落したことも背景にある。

  エレメンタル(ダラス)のトレーディング責任者、ブラッド・イエーツ氏は電話取材で、「ドル・ロングの取引はかなり積み上がっており、トランプ氏の会見でマクロ市場はちょっとした大騒ぎになった。投資家は市場や金に何を意味するのか見極めようとしている」と発言。「金上昇につながる良好なシナリオだ」と述べた。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物2月限は前日比0.3%高の1オンス=1199.80ドルで終了。一時は1207.20ドルと、中心限月としては昨年11月23日以来の高値をつけた。

  銀先物3月限はほぼ変わらずの16.825ドル。プラチナ先物4月限は0.9%上げて984.70ドル。パラジウム先物3月限は1.5%上昇の765.25ドル。
原題:Gold Surges Above $1,200 as Details-Shy Trump Weighing on Dollar(抜粋)

◎NY原油:続伸、サウジがOPEC合意上回る減産を表明

  12日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が続伸。2日間での上げは過去6週間近くで最大となった。サウジアラビアは石油輸出国機構(OPEC)で合意した以上の減産を実施したと表明した。

  ユーラシア・グループの世界エネルギー・天然資源担当ディレクター、ブルーノ・スタンジアル氏は電話取材に対し、「減産合意を完全履行するかどうかにかかわらず、OPECが政治や財政の問題を乗り越えて団結し、底値を形成できたことを市場は評価している」と指摘。「すべては米国のシェール業者の手中にある。どの程度生産を回復させるかで市場の上値が決まる」と述べた

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物2月限は前日比76セント(1.45%)高い1バレル=53.01ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント3月限は91セント上昇の56.01ドル。
原題:Oil Posts Biggest Two-Day Gain in 6 Weeks as Saudis Make Cuts(抜粋)

◎欧州株:2週ぶり安値、製薬株が安い-FCAなど自動車株も下げる

  12日の欧州株式相場は下落。指標のストックス欧州600指数は昨年末以来の安値で引けた。自動車株が7月以来の大幅安となったほか、トランプ次期米大統領の下で薬価引き下げ圧力が高まるとの懸念から、製薬株が売られた。

  ストックス欧州600指数は前日比0.7%安の362.51で終了。自動車株指数は2.8%下落。フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)が約10万4000台のディーゼル車にソフトウエアを搭載し、排ガス規制法に違反した疑いがあると米環境保護局(EPA)が指摘。製薬株は11月以来の大幅下落。トランプ氏が11日の記者会見で、医薬品に入札方式を導入する方針を示したことが売り材料となった。

  英FTSE100指数は13営業日続伸。上げ幅は0.1%未満だったものの、終値ベースでの過去最高値を11日連続で更新した。

  製薬株では、北米での売上比率の大きいデンマークのノボ・ノルディスクとアイルランドのシャイアーの下げが目立った。FCAは16%安で引けた。CNBCによれば、同社は違法ソフトの利用を否定した。
原題:Europe Stocks Fall to 2-Week Low as Drugmakers, Carmakers Plunge(抜粋)

◎欧州債:ドイツ国債が上昇、10年物利回り0.32%-英国債も上げる

  12日の欧州債市場ではドイツ国債が上 昇。英国債も買われる展開となった。

  ドイツ10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)低下の0.32%。英10年債利回りは5bp下げて1.30%となっ た。

原題:EUROPEAN WRAP-Stoxx 600 Declines as Autos, Drugmakers Tumble(抜粋)
U.S. Stocks Drop as Bond Rally Sinks Bank Shares: Markets Wrap(抜粋)

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