ロング・ショートの運用戦略から「ショート」を外すとどうなるのか。一部のヘッジファンドがその答えを確かめようとしている。

  クレディ・スイス・グループの集計データによると、ヘッジファンドの運用手法として代表的な株式ロング・ショート戦略をとるファンドは、値下がりを見込む賭けを過去最低に減らしている。これは2016年の非常に悪かった運用成績を反映した動きだ。同年にS&P500種株価指数は9.5%上昇したが、クレディ・スイスが追跡したロング・ショート型運用者のリターンはマイナス4.3%と、11年以来の低水準だった。

  相場が上昇を続ける中、多くのヘッジファンドは相場活況の中でやけどしないよう、ショート部分を手放しロング部分を堅持している。クレディ・スイスのリスク助言グローバル責任者、マーク・コナーズ氏は「上振れのリスクがある。そこに運用者は関与したがっている」と指摘した。

  ロング・ショート戦略とは、値上がりが見込まれる株式を買うロング・ポジションと値下がりが見込まれる株式を売るショート・ポジションの2つの取引を組み合わせ、相場変動の影響を最小化したり、ポジションのレバレッジを高める手法。株式ロング・ショート型ヘッジファンドの16年11月時点の運用資産は6867億ドル(約78兆8000億円)と、調査会社イーベストメントが追跡したヘッジファンドのカテゴリー別資産規模で最大だった。

  昨年の米大統領選以降、米国株式市場の時価総額は1兆7000億ドル増加し、新年に入って投資家の間では相場上昇が行き過ぎた可能性があるとの見方が浮上している。S&P500種は昨年12月に5営業日連続で、相対力指数(RSI)でみて買われ過ぎの水準で推移した。

  株式のロングポジションに運用担当者らが一段と集中することで、相場上昇が持続する可能性はある。クレディ・スイスによれば、株式ロング・ショート型ヘッジファンドはロングポジションが過去5年の平均を下回っており、運用に利用できる資金を十二分に持つという。

原題:Long-Short Hedge Funds Are Ditching the Shorts to Focus on Longs(抜粋)

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