次期米国務長官に起用された前エクソンモービル会長兼最高経営責任者(CEO)のレックス・ティラーソン氏は11日、上院外交委員会の指名承認公聴会に臨んだ。公聴会ではロシアとの関係に議員の質問が集中し、ティラーソン氏の発言は主要な外交政策でトランプ次期大統領と完全に足並みをそろえているわけではないことをうかがわせた。

  ティラーソン氏は、米国が世界でより強力な指導力を発揮するべきだとの考えを示し、「米国第一」主義を唱えて海外関与を減らすことになるトランプ氏のビジョンとの対比が浮き彫りとなった。ティラーソン氏はまた、ロシアが米国にとって「危険」であると述べるとともに、2016年の米大統領選の際にロシアが仕掛けたとされるサイバー攻撃への制裁措置を当面は維持すべきだと語った。トランプ氏は同措置を批判している。

  ティラーソン氏は「北大西洋条約機構(NATO)のわれわれの同盟国が、勢力を盛り返したロシアに警戒感を抱いているのはもっともなことだ」と指摘。それと同時に、米国が指導力を欠いていることが、クリミア半島やシリアなどでのロシアの攻撃的な態度を助長することになったと述べた。

  米大統領選中のサイバー攻撃はロシアのプーチン政権によるものだとする米情報当局の間のコンセンサスや、ロシアがシリアのアサド政権を支持している事実にもかかわらず、トランプ氏は対ロ関係の改善に意欲を示している。しかし、8時間余りに及んだ同公聴会で議員がティラーソン氏に突き付けた鋭い質問からは、トランプ氏のこうした姿勢への根強い懸念が鮮明となった。

原題:Tillerson Veers From Trump Line as Russia Looms Over Hearing (1)(抜粋)

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