トランプ次期米大統領は11日、トランプ・オーガニゼーション傘下の多数の企業の役職から退くと表明した。ただ、企業の所有権を手放すことはないとも述べたことから、利益相反の懸念に適切に対処したのか疑念を招いた。

  トランプ氏は同日の記者会見で、「自身の会社を経営しながら政権を運営することは可能だ。体裁は好ましくないが、やろうと思えばできることだ」と語った。また、ドバイで最近、20億ドル(約2300億円)規模の取引を提示されたが断ったことも明らかにした。

所有ホテルのオープニング式典に出席するトランプ氏(16年10月、ワシントン)
所有ホテルのオープニング式典に出席するトランプ氏(16年10月、ワシントン)
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  同氏のビジネスには36億ドルの資産を持ち20カ国余りとの関係がある500社強が含まれ、今後は信託に移管される。この信託は独立した倫理担当役員が監督し、トランプ氏の息子であるエリック、ドナルド・ジュニア両氏とアレン・ワイセルバーグ最高財務責任者(CFO)が運用に当たり、次期大統領に相談することなく意思決定を行う。トランプ・オーガニゼーションは懸案となっている提携を全て打ち切り、トランプ氏が大統領在任中は海外で新たなビジネス契約は行わず、新たなホテルのライセンス契約なども結ばない。

  ジョージ・W・ブッシュ政権でホワイトハウスの倫理問題担当弁護士のトップを務めたリチャード・ペインター氏は「これでは何も問題は解決しない。所有権を持つなら、利益相反になる」と指摘した。

  ホテルやゴルフコースといったトランプ氏の既存事業は今後も営業を続け、結婚式や宴会などのイベント事業で新たな契約を結ぶ。これらの契約が対等に結ばれているかを倫理担当役員が審査する。トランプ氏の弁護士のシェリ・ディロン氏によると、トランプ氏の会社はホテル事業で外国政府から受け取った利益を自主的に米財務省に寄付する。

原題:Trump to Step Down From Business But Won’t Divest Ownership (2)(抜粋)

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