衣料ブランド「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは、2016年9-11月期の営業利益が前年同期に比べ17%増の886億円となり、市場予想を上回った。国内外で値引率のコントロールが奏功し、海外ユニクロでは45%の増益だった。株価は1カ月ぶりの上昇率を付けた。

  ブルームバーグが集計したアナリスト3人の予想平均は870億円だった。今期(17年8月期)の業績見通しは据え置いた。円安を受け、外貨建て資産などの換算額が増加し、為替差益156億円を計上。純利益は同45%増の697億円(市場予想544億円)だった。

  アパレル製造小売業で世界首位を目指しているFリテイリは21年8月期に売上高3兆円の目標を掲げている。消費者の節約志向が続く中で、同社は14年と15年に原材料コスト高などを理由にユニクロ製品の値上げに踏み切ったが、客離れが起きた。昨年4月に柳井正会長兼社長は価格リーダーシップを取り戻すと宣言し、値下げ戦略に舵を切った。

  13日の取引で株価は一時、前日終値比3.6%高となった。昨年12月9日以来の上昇率。

価格戦略

  12日の発表資料によると、9-11月期は国内外のユニクロ事業で増益だった。国内では「毎日お買い求めやすい価格」戦略を徹底したことで、期間限定での値引率が減少。昨年11月末には「誕生感謝祭」と題したセールを、例年より3日長く7日間にわたって開催したが、「値引率は計画通りにコントロール」したとしている。

  岡﨑健最高財務責任者(CFO)は「お客さんの価格に対する感応度が高い。引き続き価格信頼性を確保していく」と12日の記者会見で述べた。通常の価格設定とバランスを取りながら、「分かりやすい形でセールス期間を作ること」を積極的に行うという。

海外ユニクロ

  海外ユニクロでは営業利益が前年同期比45%増となり、計画を上回った。米ドルや人民元などに対し前期比で円高となったことで収益を押し下げ、同0.2%の減収となったが、売り上げ総利益率の改善や経費削減が奏功した。中華圏や東南アジア、オセアニアが「大きく寄与」したとしている。

  SMBC日興証券の金森都アナリストは12日付リポートで「値引きのコントロールや適正な在庫水準の維持」を理由に「国内ユニクロへの業績不安は後退した」と指摘。中国でもアパレル市場が不調な中で、「ブランド力の高さや機能性を打ち出した差別化の有効性ゆえに他社の値引き影響を受けていない」と記した。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の小場啓司シニアアナリストは12日付リポートで今後の注目点として、国内ユニクロで「処分期にいかに粗利率をコントロールできるか」と、海外ユニクロで「中国中心に販売基調と収益性改善の確認」を挙げた。

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