英国の欧州連合(EU)離脱や米大統領選挙でのドナルド・トランプ氏勝利をもたらした不平等拡大や社会の二極化が、今後10年の世界的な動きを形成しようとしている。世界経済フォーラム(WEF)が11日、こうした年次リスク報告書を発表した。

  WEFがブルームバーグ・エル・ピーの欧州本部(ロンドン)でのイベントで公表したグローバルリスク評価報告書は、気候変動も大きな世界的トレンドとして取り上げた。「今後10年のさらなる困難と不安定」を回避するため世界のリーダーは協力する必要があると呼び掛けた。

  WEFを設立したクラウス・シュワブ氏は報告書の序文で、「継続的な低成長に加え、高水準の債務と人口動態の変化が金融危機や不平等拡大を促す環境をつくり出している」と指摘。金融危機後の弱い経済成長が貧富の格差を拡大させ、ポピュリズム(大衆主義)に訴える政党の台頭につながった「経済的な停滞」感を強めたと報告書は分析している。

  欧米の民主主義社会において最も顕著な反体制的な動きが英国のEU離脱選択とトランプ氏当選で見られたが、そうした流れは一段と広がり、ドイツやイタリア、フランス、オランダなどで極右政党への支持が拡大している。

  報告書の調査には、デフレや資産バブル、異常気象、テロ攻撃、食料危機、サイバー攻撃といった30の世界的リスクを分析する専門家750人が関わった。

  報告書はスイスのダボスで17日に始まるWEF年次総会、いわゆるダボス会議で議論される予定で、世界の出来事を決めていく最も重要な基調的トレンドは所得格差の拡大だと指摘。世界の主要中央銀行が実施した量的緩和策については、金融資産保有者へのリターンを増加させ、所得格差を悪化させたと結論付けた。

原題:From Brexit to Trump, Polarization Poses Global Risk, WEF Says(抜粋)

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