過ちを犯さない人はいない。だが、米連邦準備制度が過ちを犯せば、国富は失われ何百万人もが失業することになりかねない。

  米金融当局が過去1年1カ月にわずか2回と、利上げに辛抱強いアプローチを取ってきた理由はこのためだ。この間、失業率は改善したが、インフレの兆候はほとんどなかった。

  昨年末には賃金の伸びが加速し、金融当局は利上げに動いたが、新たなリスクが議題として台頭してきた。利上げが後手に回ったらどうしよう、というものだ。

米金融当局の動向をウォール街も注視
米金融当局の動向をウォール街も注視
Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

  景気循環の転換点を見定めることが困難なのは周知の事実であり、経済成長率の押し上げを公約に掲げるトランプ次期政権の発足を間近に控え、金融当局が直面する潜在的な課題に上振れのサプライズが新たに加わった。

  金融当局者は労働市場のさらなる改善とインフレ加速を狙い、多少加速気味の景気拡大を望んでいる。失業率が既に低水準にある中でトランプ氏は財政面の刺激策を公約しているため、金融当局が過ちを犯す可能性は高まることになる。

望み上回る進展

  元連邦準備制度理事会(FRB)理事で現在はコンサルタント会社LHマイヤー(ワシントン)を率いるローレンス・マイヤー氏は「政策ミスのリスクは増している」とコメント。連邦公開市場委員会(FOMC)について、「FOMCは労働市場の過熱とインフレ加速を望んできたが、求めてきた以上の進展があり、両方の責務で試されることになる」と語った。

  金融当局者は2014年に量的緩和(QE)を終了して以降、主要政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を正常な水準に戻したい意向を示し、緩やかな利上げの軌道の展望を描いてきた。そして今、当局者は必要に応じてより急ピッチの利上げに転じる用意があることを投資家および自分たち自身に言い聞かせようとしている。

  BNPパリバの米国担当シニアエコノミスト、ローラ・ロスナー氏(ニューヨーク在勤)は「米景気は改善していると見受けられる」と説明。FOMC参加者は昨年12月に公表された最新の経済予測の中央値で、今年の利上げ回数見通しを3回に引き上げたが、これらの利上げ時期について「具体的なガイダンスは一切ない」とロスナー氏は指摘した。

原題:Fed on Edge as Trump Growth Bump Boosts Risks of Rate-Hike Error(抜粋)

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