今年最初の超長期ゾーンの日本国債入札はやや低調な結果となった。10カ月ぶりの高い利回り水準にもかかわらず、投資家が積極的に購入しなかったのは、再来週まで超長期債の供給が続くことだけではなく、日本時間の翌日未明にも明らかになるトランプ次期米大統領の記者会見が気になったためのようだ。

  財務省がこの日実施した30年利付国債の入札結果は、最低落札価格が96円20銭と、ブルームバーグが事前に聞き取り調査した市場予想中央値を10銭下回った。結果的には、最高落札利回りが0.755%と、昨年3月以来の高い水準を記録した。

  大和証券の小野木啓子シニアJGBストラテジストは、低調な入札結果となった理由について、「注目イベントが控えていることや、月内の超長期ゾーンの需給バランスに対する警戒感もくすぶる中、前場の水準では積極的な需要に欠いた」と分析した。パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は「年末以降の米金利上昇一服が、今後の金利低下の予兆なのか、トランプ氏の会見を待って再び売りが出るのかを見極める必要がある」とし、「足元の金利低下でうかつに飛びついてしまうと、反動で上昇した時に裏目に出てしまう」と指摘した。

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  トランプ氏は米東部時間11日(日本時間12日未明)からニューヨーク市内で記者会見を開く。昨年11月の米大統領選で勝利してから初めてとなるトランプ氏の会見発言内容に、市場参加者は注目している。パインブリッジの松川氏は、「目先は米国債の入札も控える状況で、トランプ氏が何か言うと金利が上がりそうな局面に差し掛かっている」と言う。

  日銀は昨年12月14日に超長期債利回りの大幅上昇を抑制するために長期国債買い入れオペの増額や次回オペの予告など異例の措置を取った。市場ではその影響が尾を引いている。

異例の日銀国債買い入れの詳細はこちらをご覧下さい。

  SMBC日興証券の竹山聡一金利ストラテジストは、12月に10年超の日銀オペが前倒しで行われたため、53回債が買い入れ対象銘柄になってからまだ3回しかオペが実施されていないと指摘。「2回分の買い入れ(2300億円)で53回債の買い入れ額が2083億円と大部分を占め、荷もたれ感のある状況」と指摘した。

  野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「日銀が12月に相場介入した後遺症で、市場は超長期ゾーンのフェアバリューが分からなくなっている」と指摘。「30年債入札はいったん見送り、トランプ氏の会見や来月の予算教書、場合によって米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長の議会証言ぐらいまでは投資家は待ちの姿勢を続けそうだ」とみている。

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