日本の需給ギャップ-日本経済の平均的な産出高と実際の産出高の乖離(かいり)-は、6日に公表された日銀の推計で2016年第3四半期に縮小した。これは物価上昇に対してポジティブだ。

  資本投入ギャップ-平均的な資本稼働率との乖離-は依然マイナス値だが、労働投入ギャップ-平均的な就業率や労働時間からの乖離-は需給がひっ迫する労働市場で賃金に上昇圧力がかかりつつある中、明確にプラスに転じた。GDPが潜在成長率を超えて拡大することが見込まれる中、需給ギャップは17年にプラスに転じそうだ。これはコアCPI(生鮮食品を除く総合の物価上昇率)の前年比が17年入り後にプラスとなると見込むブルームバーグ・インテリジェンスの見解と整合的で、不測のショックがなければ、日銀の追加緩和は当面見込まれないことを示唆する。

  • 日銀の推計する需給ギャップは16年第3四半期にマイナス0.31%と前四半期のマイナス0.75%から縮小した。
  • 労働投入ギャップがプラスに転じる一方で、資本投入ギャップはマイナスのままで、需給ギャップの縮小の足かせとなっている。
  • 最新の需給ギャップの推計値は賃金の上昇傾向と整合的だ。
  • 毎月勤労統計調査の所定内給与の伸びは16年6月から前年比でプラスに転じ、その後も上昇が続く。
  • 改定前の推計値では、労働投入ギャップが14年第2四半期にプラスに転じていた。
  • 需給ギャップを決定する上で重要な潜在成長率については、新基準のGDP統計と整合的な資本ストックの系列が利用可能でないため、今回は生産関数アプローチに基づく日銀の推計は公表されていない。
  • ただし、資本ストックデータが不要なHodrick-Prescottによるフィルタリングアプローチを用いて推計すると潜在成長率は12月のGDP改定のデータを用いた推計値と比較して0.4ポイント上昇しており、日銀推計の潜在成長率も上方改定される可能性がある。


原文の英語記事はこちらをクリック
JAPAN INSIGHT: Narrowing Output Gap Is Positive for Reflation

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE