米大手金融機関のモルガン・スタンレーは、超富裕層の資産を独立系投資顧問やファミリーオフィスが運用するのを助けてきたシリコンバレーの新興企業と提携した。ウォール街では従来の金融機関では簡単にまねできないサービスを提供するテクノロジー企業と組む傾向が見られ、その最新例となる。

  モルガン・スタンレーが組んだのはアディパー(本社カリフォルニア州マウンテンビュー)。同社のデータ集約ソフトウエアをモルガン・スタンレーの複数のプライベートウェルス・チームが活用していると、アディパーのエリック・ポイリエ最高経営責任者(CEO)が述べた。顧客の複雑な保有資産を運用担当者が把握するのを手助けするテクノロジーを武器に同社は急成長し、プラットフォーム上の資産は昨年ほぼ倍増して5600億ドル(約65兆円)に達した。

エリック・ポイリエ氏
エリック・ポイリエ氏
Source: Addepar Inc.

  アディパーと組む米大手金融機関はモルガン・スタンレーが初めて。ここまでの成長は主に、富裕層の資産運用をめぐって銀行と競争する規模の比較的小さい、独立系の投資顧問会社が支えてきた。

  ポイリエCEO(34)は「銀行と競争する顧客によって、われわれの力が証明された」とインタビューで述べ、「今や銀行は自らが不利な状況にあると感じてわれわれの技術を採用している」と付け加えた。

  アディパーにはベンチャーキャピタリストのピーター・ティール氏が出資。同社のソフトウエアはポートフォリオを横断して投資エクスポージャーを追跡・分析するため、運用担当者がそれに費やす時間を顧客対応に充てることができる。

  ポイリエCEOはこの調子でいけば、プラットフォーム資産は年末までに1兆ドルに達すると試算した。現在は大手金融機関と協議中とした上で、今後は年金や寄付基金、ソブリンファンドとも組みたい意向を示した。最終的には「金融の基本ソフト(OS)」を構築し、フェイスブックやグーグルがマーケティングや広告の世界を一変させたように金融業界の非効率性を解消したいとも話した。

原題:Morgan Stanley Signs With Asset-Gobbling Startup Backed by Thiel(抜粋)

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