11日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は次の通り。

  東芝(6502):前日比4.3%高の301.1円。主要取引銀行は10日午後の金融機関対象の説明会で、2月末まで融資を継続する方針だと表明した。東芝の格下げを受け、融資の条件となる財務制限条項に抵触するが、融資を続けることで再建を支援する。証券ジャパンの大谷正之調査情報部長は、格下げになるなど銀行が融資を継続する条件が厳しくなったとみられていただけに、継続に対する市場の不安がいったんは払しょくされたとの見方を示した。

2月まで融資継続
2月まで融資継続
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  鉄鋼株:新日鉄住金(5401)が4.6%高の2741.5円、JFEホールディングス(5411)が5.5%高の1877円、神戸製鋼所(5406)が3.9%高の1159円など。鉄鋼は東証1部業種別上昇率1位。野村証券では、コークス用の石炭で原料炭の最高級品種である強粘結炭のスポット価格が10日に前日比約6%下落、200ドル割れまで下落したと指摘。ごく短期ではさらに下落する可能性が高く、2018年3月期上期には原料安メリットをある程度享受できると予想した。

  宇部興産(4208)が3.2%高の261円、日本カーボン(5302)が22%高の282円。米ゼネラル・エレクトリック(GE)が軽量で高い耐熱性を持つ炭化ケイ素(SiC)繊維を航空機の最新エンジンに導入、宇部興とカーボンが素材を供給すると11日付の日本経済新聞朝刊が報じた。日本アジア証券の清水三津雄エクイティ情報課長は、SiCを製造できるのが2社のみという点が好感されたとしたうえで、株価が比較的低位にあることで手掛けやすく、個人投資家の買いが膨らんでいるとの見方を示した。

  ソニー(6758):3.4%高の3510円。モルガン・スタンレーMUFG証券は10日、投資判断「オーバーウエート」、目標株価4100円を維持した。第3四半期はドル建ての部材調達時に円高、完成品販売時に円安で、市場想定以上に営業利益への円安メリットは大きいと判断。16年度が「プレイステーション(PS)4」ハードの販売数量ピーク、17年度がソフト販売のピーク、利益のピークになるとみており、中期計画で掲げる17年度の営業利益5000億円の達成は可能との見解に変更はないとした。

  任天堂(7974):3.2%高の2万5145円。マッコーリー証券は投資判断を「中立」から「アウトパフォーム」へ引き上げた。好調なポケモン収入と円安がゲームアプリ「スーパーマリオラン」をめぐる懸念を十二分に相殺すると予想、17年3月期から19年3月期までの1株利益予想を11-40%増額。今後12カ月の目標株価を2万8700円、適正株価上限を3万6000円に設定した。みずほ証券では13日開催の「Nintendo Switch(スイッチ) プレゼンテーション2017」で、株式市場の見方が改善することを期待している。

  エービーシー・マート(2670):4.5%安の6600円。10日発表した16年3-11月期営業利益は前年同期比2.3%減の320億円だった。SMBC日興証券では9-11月期営業利益は前年同期比10%減と、6-8月期に続き減益決算だったとし、通期会社計画に対する進ちょく率も物足りないとの見方を示した。

  スター精密(7718):4.8%安の1562円。16年3-11月期営業利益は前年同期比37%減の26億5200万円だったと10日に発表。主力の工作機械事業でCNC自動旋盤の売り上げが欧州中心に大幅に減少、円高の影響も受けた。時計部品や自動車部品など精密部品事業も低調だった。

  UMNファーマ(4585):300円(29%)安の724円とストップ安。アステラス製薬(4503)と共同開発を進めてきた組み替えインフルエンザHAワクチン「ASP7374」と「ASP7373」について、アステラ薬が共同事業契約の解約権を行使したと10日に発表。UMNでは引き続き本剤の臨床的意義は高く、再度の製造販売承認申請は可能と考えているが、今後の要件、必要なコストや期間を見積もった上で方針を決定するとしている。野村証券では、当社の業績展望にとって大打撃で、残るは米国へのワクチン供給のみと指摘した。

  アリアケジャパン(2815):5%安の6140円。みずほ証券は投資判断を「買い」から「中立」、目標株価を7520円から6900円に引き下げた。カタリストと位置付けてきた利益率の回復を伴った成長局面入りは、おおむね株価に反映されたと分析。17年3月期は営業利益率が10期ぶりに20%を上回ると予想する一方、18年3月期営業利益は従来予想を下回る見込みで、バリュエーションの割安感が低下したと判断する。

  クリエイトSDホールディングス(3148):1.8%高の2576円。16年6-11月期営業利益は前年同期比5.4%増の70億9300万円だったと発表。品揃えの拡充や季節商品の好調などで既存店販売が前年を上回り全体の売上高が伸びた。さらに調剤部門が伸びたことなどから売上総利益率が改善、利益を押し上げた。

  ハニーズ(2792):3.3%安の1155円。17年5月期営業利益予想を37億5000万円から29億5000万円に下方修正すると発表した。国内では夏場に台風が相次いで上陸したことで売り上げが低迷、中国では百貨店の来店客数が落ち込んだ。店舗設備の充実を図るため販売管理費がかさむことも利益を押し下げる。

  キャンドゥ(2698):1.5%安の1735円。10日に発表した16年12月の月次売上高は、既存直営店で前年同月比2.4%減、全社では0.6%減だった。既存直営店の前年水準割れは5カ月連続、全社では15年3月以来、21カ月ぶりとなった。

  三協立山(5932):3.6%高の1725円。16年6-11月期営業利益は前年同期比79%増の40億3900万円だった、と11日午後1時に発表。柱の建材事業を中心に売上高は5.7%減ったが、建材でのコスト削減やアルミ地金価格の低下が採算面で寄与、商業施設事業は小売業界での新規出店、改装需要を背景に伸びた。

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