世界銀行は、トランプ次期米大統領の減税・支出計画は米経済へのカンフル剤となる可能性があり、世界成長を後押しし得るが、通商政策の不透明性でリスクも増大するとの見通しを示した。

  世銀は10日に公表した最新の報告書で、トランプ次期政権が新たな貿易障壁を設け、諸外国の報復を招いた場合、財政刺激策がもたらすプラス効果は相殺される恐れがあると指摘。トランプ氏の経済政策全般については、効果を予測するのは時期尚早だとした。トランプ氏の政策案の影響を織り込まない今年と来年の米成長率予想はそれぞれ2.2%と2.1%と、従来予測を据え置いた。

  世銀の今年の世界成長率予想は2.7%と、昨年6月時点から0.1ポイント低下。来年は2.9%と、6月時点の予想値を0.1ポイント下回った。

  ユーロ圏の今年の成長率見通しは1.5%とした。英国の欧州連合(EU)離脱交渉開始に伴う不確実性の高まりが今年と来年の成長を圧迫する見通しだと説明した。日本と中国の今年の成長率はそれぞれ0.9%、6.5%になると予測した。

  ただ世銀はトランプ政権が法人税率を35%から15%に引き下げ、個人所得税も下げるという公約を実行した場合は、米成長率は17年に2.5%、18年に2.9%に達し得ると予測。この場合、減税の実施時期と米金融当局がどう反応するかにも左右されるが、世界成長は今年0.1ポイント、来年は少なくとも0.3ポイント押し上げられると予想した。

原題:Trump Tax Cuts Could Jump-Start Global Economy, World Bank Says(抜粋)

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