債券市場では超長期債が下落。この日に実施された30年利付国債入札は最低落札価格が市場予想を下回る結果となり、超長期ゾーン中心に売りが優勢となった。半面、中期債や先物相場は堅調に推移した。

  現物債市場で新発30年物の53回債利回りは日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と比べて2ベーシスポイント(bp)高い0.765%と、昨年12月14日以来の水準まで売られている。新発20年物の159回債利回りは1bp高い0.61%、新発40年物の9回債利回りが2bp高い0.90%と、ともに3営業日ぶりの水準に上昇。長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは横ばいの0.055%で推移した。一方、新発2年債利回りはマイナス0.25%と昨年11月以来の低水準を付けた。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、30年入札について「本格的なリアルマネーの買いが大きくあったようには見えない」とし、「明日以降に不安を残す内容」と指摘。月内の入札スケジュールに加え、「3月末が見えてくるので、益出し売りが出てくるタイミング」とも言い、「どうしても買わなくてはいけないというほど、金利が一方向に下がるように見えない」と付け加えた。

  財務省が実施した30年債入札の結果によると、最低落札価格が96円20銭と、市場予想の96円30銭を下回った。投資家需要の強弱を反映する応札倍率3.33倍と前回2.85倍から上昇。小さければ好調を示すテール(最低と平均落札価格の差)は23銭と前回40銭から縮小した。

過去の30年債入札の結果はこちらをご覧ください。

  長期国債先物市場で中心限月3月物は前日比1銭高の150円21銭で取引を開始。いったん150円19銭まで下げた後は底堅く推移し、一時150円29銭を付けた。結局6銭高の150円26銭で引けた。

  パインブリッジの松川氏は、「先物はヘッジ目的で構築されたショートポジションの買い戻しが背景で、それほど強いマーケットではない」と説明。その上で、「先物が上昇している割に30年債はほとんど買われていない」とし、「超長期の弱さが際立っている」と話した。

トランプ氏会見を警戒 

トランプ次期米大統領
トランプ次期米大統領
Bloomberg

  この日の米国時間にはトランプ次期大統領がニューヨーク市内で記者会見を開く。減税策をはじめ米経済を活性化させるための政策などについて発言が出ると市場参加者は注目している。

  パインブリッジの松川氏は、「年末以降の米金利上昇一服が、今後の金利低下の予兆なのか、トランプ氏の会見を待って再び売りが出るのかを見極める必要がある」とし、「足元の金利低下でうかつに飛びついてしまうと、反動で上昇した時に裏目に出てしまう」と指摘。「トランプ相場の賞味期限が切れたのか、まだ残っているのかが知りたい」としている。


最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE