11日の東京株式相場は反発。米国で中小企業の景況感が大きく改善し、米景気は堅調との見方が広がった。原料炭価格の下落による採算改善が期待され、鉄鋼株が業種別上昇率のトップ。非鉄金属など素材株の強さが顕著で、為替の安定推移を受けた電機株のほか、銀行株も高い。

  TOPIXの終値は前日比8.09ポイント(0.5%)高の1550.40と3営業日ぶり、日経平均株価は63円23銭(0.3%)高の1万9364円67銭と4日ぶりに上げた。

  ニッセイアセットマネジメントの久保功株式ストラテジストは、「米次期政権の政策に絡む悪材料が出てくるとの懸念がありつつも、今のところ悪材料は出ておらず、投資家はこわごわではあるが、買いを入れ始めた」と指摘。11日のトランプ次期米大統領の会見は財政出動規模に関する質疑応答が注目点とし、選挙中に示唆した規模から「大きく変わることはない」とも予想した。

東証内
東証内
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  全米自営業連盟が10日に発表した2016年12月の中小企業楽観指数は、前月比7.4ポイント上昇の105.8と1980年以来の伸びを記録した。SBI証券の鈴木英之投資調査部長は、「米中小企業の景況感改善は今後のプラス材料」とし、米景気の好循環などを通じて日本企業にも好影響が及ぶとみている。

  きょうのドル・円相場は1ドル=115円60銭台ー116円20銭台で推移、10日の日本株終値時点115円57銭からおおむねドル高・円安水準で推移した。10日の欧米株式、金融市場は小動きで、米S&P500種株価指数は前日と変わらずだった。

  この日の日本株は見直し買いが先行、反発して始まり、日経平均は午前終盤に一時100円以上上げた。その後は上値が重く、午後は小幅なレンジ内でもみ合い。SMBC日興証券投資情報部の太田千尋部長は、「トランプ氏の発言は過去物議をかもしてきただけに、今回も何を言い出すのか分からないという警戒感がある」とし、投資家の間における様子見姿勢の強さに言及した。東証1部の売買高は19億4433万株、売買代金は2兆1802億円。代金は前日から16%減り、年明け以降の5営業日で最低となった。上昇銘柄数は996、下落は863。

  東証1部33業種は鉄鋼、非鉄、銀行、鉱業、ガラス・土石製品、その他製品、電機、海運など26業種が上昇。上昇率トップの鉄鋼については、野村証券が足元の原料炭価格の下落は想定以上で、来上期に原料安メリットを享受できる可能性があると指摘した。不動産や食料品、ゴム製品、小売など7業種は下落。

  売買代金上位では、マッコーリー証券が投資判断を上げた任天堂、主要取引銀行が融資継続を表明した東芝が上げ、モルガン・スタンレーMUFG証券が強気の投資判断を継続したソニーも高い。米ゼネラル・エレクトリック(GE)が次世代航空機のエンジン基幹部品に新素材を使う、と11日付の日本経済新聞朝刊が報じた日本カーボンは急騰した。半面、クレディ・スイス証券が弱気の投資判断を継続した住友不動産、16年3-11月期決算が営業減益だったエービーシー・マートは安い。

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