かつて株式市場でのスピードの重要性に懐疑的だったゴールドマン・サックス・グループは、今や自動取引に積極的に力を入れようとしている。

  人間が投資判断を下すファンドの世界では長らく先頭を走ってきたゴールドマンは、売買の判断をコンピューターの戦略に委ねるクオンツマネジャーとの相性がこれまで良くなかった。それがクオンツファンドの販売で3位に入ることを目標に、より多くのクオンツファンドを取り入れたいとの姿勢に変わった。

  この旗振り役を務めるラジ・マハジャン、ジェフ・ネデルマンのパートナー両氏は、ゴールドマンは技術を進化させ、クオンツマネジャーに提供できるパッケージでは他社との差を完全に埋めたと述べた。

  2015年に株式電子取引執行ビジネスの責任者としてゴールドマンに入社したマハジャン氏は、昨年12月、ニューヨークの同社本社でインタビューに応じ、「取引執行の質において、まさに基本的な点が脅かされていたということに気づいた」と発言。「顧客に満足してもらうため、多額の資金を投じてきた」と続けた。

  ゴールドマンがここに至るまでには数年を要した。マハジャン氏が加わった15年には、株式市場への接続強化を狙いスウェーデンのパンター・エンジニアリングを買収。この作業の大半はようやく昨年終えた。一方で、すべてのトレードについてコンプライアンス、リスク、会計などの情報を130以上のシステムが瞬時に消化できるようネットワークも強化した。

  スピードと効率は、Tロウ・プライス・グループやフィデリテ ィ・インベストメンツなど従来型の資産運用会社にとっても重要性を増しつつある。両社は低コストの指数連動型ファンドや上場投資信託(ETF)からの脅威を跳ね返し、コストを削減する必要性が生じているためだ。

  ゴールドマンは傾斜を強めつつあるが、コンピューター戦略が全てうまく行っているわけではない。顧客に送付された月次の資料によると、クオンツ戦略を採用したブラックロックの主力ヘッジファンドは昨年1月ー11月の運用成績がマイナス。レダ・ブラガ氏率いるシステマティカ・インベストメンツの主力クオンツ・ファンドも昨年はマイナス11%だった。

原題:Goldman Makes Play for Quant Funds in Electronic Trading Reboot(抜粋)

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