ゴールドマン・サックス・グループは、中国人民銀行(中央銀行)が昨年11月の米大統領選以来、人民元の中心レート設定メカニズムを変更したとみている。資本流出が膨らんでいる上、トランプ次期米大統領が保護主義的な貿易政策をとる構えを示しているため、元高方向に向けることを狙っているという。

  ロビン・ブルックス氏率いるゴールドマンのストラテジストが9日公表したリポートによると、11月8日までは中国政府が公にしている方法通り、ドルの全般的な動きと元の終値が翌日の中心レートを90%決定していた。だが、それ以降はこの比率が80%に低下した。

  この比率変更により、人民銀はドルが下落した際には元をより大きく上昇させる一方、全般的なドル高では元の下げ幅を小さくさせるなど選挙以前とはパターンを逆転させていると、ゴールドマンのモデルは示す。

Yuan Fixing Regime
Yuan Fixing Regime

  ブルックス氏はリポートで「米新政権の発足を前に、中国の政策担当者はできるだけ良い印象を与えようとしている。人民元の中心レート引き上げを通じ、資本流出を鈍化させようとしていることもあり得る」と指摘。「いずれにせよ、一定の人民元下落は『蓄えられている』公算が大きく、中国の国際収支悪化を考慮すれば最終的にその分の下落は実現するだろう」と続けた。

  オフショア人民元は先週、記録的な上昇を遂げ、ショートポジションを抱えるトレーダーは強烈な踏み上げに見舞われた。だがゴールドマンはノンデリバラブル・フォワード(NDF)を利用した元売り・ドル買いを推奨、2017年のトップ戦略の1つに挙げている。

  10日のオフショア人民元は香港時間午後5時33分現在で、前日比0.2%安の1ドル=6.8919元。オンショア人民元は0.15%高で取引されている。

原題:Goldman Sachs Sees China Using Fixing to Strengthen Currency (2)(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE