主要取引銀行が融資継続の意向を表明した東芝の株価は11日、2週間ぶりの高値となった。主要行からの支援表明により、市場の不安が払拭(ふっしょく)されたという見方が出ている。

  株価は一時、前日比6.4%高の307.2円まで買われ、昨年12月28日以来の高値となった。午前の終値は同5%高の303円。

  複数の関係者によると、米原子力事業で数千億円規模の減損損失が生じる可能性があると発表した東芝に対し、同社の主要取引銀行は10日午後の金融機関対象の説明会で、2月末まで融資を継続する方針だと表明した。東芝の格下げを受け、融資の条件となる財務制限条項に抵触するが、融資を続けることで再建を支援するという。

  証券ジャパンの大谷正之調査情報部長は、格下げによって融資継続の条件が厳しくなったとみられていたため「市場の不安がいったんは払拭された」と電話取材で述べた。ただ「損失額がどの程度になるかが不透明で、債務超過にならなくとも資本増強を行うなら希薄化のリスクはある。残された問題はなお多い」とも指摘した。

東芝本社
東芝本社
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  東芝は2015年末に米子会社を通じて買収を完了した原子力発電関連の建設・サービス会社の取得価格と純資産の差にあたる「のれん」が数千億円規模に上り、10ー12月期決算で全額を減損処理する可能性がある。格付投資情報センター(R&I)は格付けを「BBB-」から投機的等級とされる「BB」に2段階引き下げた。東芝は15年春に発覚した不正会計問題を受けて家電事業や医療機器子会社を売却し財務改善に取り組んできたが、半導体と並ぶ主力分野の原子力事業が再建への足かせとなった。

  東芝の発表によると、16年3月末の借入額は、みずほ銀行1834億円、三井住友銀行が1768億円、三井住友信託銀行が1310億円、三菱東京UFJ銀行が1112億円。手元資金の流動性の確保のため、15年9月に総額4000億円のコミットメントライン契約を結んでいる。

  昨年11月の発表によれば、9月末時点の東芝の株主資本は約3600億円、株主資本比率は7.5%だった。17年3月末の純利益は1450億円と予想していた。

  三井住友銀行広報担当の氷室祐一郎氏は、東芝を「引き続き主力行として支援する方針」と述べた。東芝とみずほフィナンシャルグループの広報担当者は、個別案件については回答を控える、と答えた。

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