中国人民銀行(中央銀行)は人民元の中心レート設定メカニズムを昨秋の米大統領選以降に変更したとの見方を、ゴールドマン・サックス・グループが示した。トランプ次期米大統領が保護貿易政策を取る構えを示しているほか、中国本土からの資本流出が拡大しており、当局は元上昇を目指す方向に傾いているとしている。

  ロビン・ブルックス氏らゴールドマンのストラテジストは9日のリポートで、大統領選の行われた昨年11月8日の前には、ドルの大まかな動きと人民元の終値で翌日の元の中心レート設定を90%説明でき、中国当局が公表していた中心レート設定方法を実際に確認することが可能だったが、大統領選以降はその相関関係が80%に低下したと指摘した。人民銀は毎営業日に元の中心レートを設定し、元相場の対ドルの一日の許容変動幅をその上下2%に制限している。

  設定メカニズムの変更により、人民銀はドル安の際にはこれまでよりも元高方向に同通貨を誘導することが可能になり、逆に総じてドルが高い時には元安を抑制するよう誘導できる。

  設定メカニズムの変更が証明されれば、当局は方針を転換したことになる。人民銀は世界の通貨の動きと前営業日の人民元相場を考慮に入れて元の中心レートを設定する新たな方法を採用し、それをより忠実に守ったことで昨年評価された。しかし透明性と予測可能性が高まったことは、人民銀が元相場を支え投機的取引を抑える余地を狭めてきた。

原題:Goldman Sachs Sees ‘Structural Break’ in Yuan Fixing Mechanism(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE