1月2週(10-13日)の日本株は反落する見込み。米国の成長加速を期待した米長期金利上昇とドル高円安が一巡し、企業業績の上乗せ期待がやや後退している。保護主義的なトランプ米次期大統領の言動に対する懸念も根強く、自動車や機械など輸出関連株中心に売りが先行しそう。

  トランプ氏の11日の記者会見が最大の焦点。同氏は5日、メキシコに工場建設を計画するトヨタ自動車を批判した。大和住銀投信投資顧問・経済調査部の門司総一郎部長は、トランプ氏の側近や次期政権の中枢からタカ派的な通商政策が出るようなら、「これまで次期政権の政策の良い面しか見てこなかった分、リスクオフに傾く可能性がある」とみている。

株価ボードと歩行者
株価ボードと歩行者
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  12日には米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が教育関係者向けにタウンホールを開催する。金利先物が織り込む3月会合までの利上げ確率は31%。イエレン氏の景況認識などで早期利上げ観測が強まると、世界的な流動性の縮小が警戒され日本株にも悪影響が及ぶ可能性がある。

  国内では小売大手の四半期決算発表が相次ぐ。ユニー・ファミリーマートホールディングスが10日、イオンとローソンが11日、セブン&アイ・ホールディングスとファーストリテイリングが12日に予定。ドイツ証券の風早隆弘アナリストは「Fリテイリは好決算が見込まれるが、そのほかはさえないだろう」と述べたうえで、Fリテイリについても「好決算は株価に織り込まれており、新たな業績拡大策が示されない限り高値更新は難しい」とみている。経済指標では12月の景気ウオッチャー調査が発表される。第1週の日経平均株価は週間で1.8%上昇して1万9454円33銭と反発した。

≪市場関係者の見方≫
ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジスト
  「トランプ氏が記者会見で何を言い出すのか分からない。次期政権への期待がはがれ、警戒感が強まる可能性が高い。保護貿易的な通商政策によって貿易摩擦が強まるとの懸念があるほか、米中の対立激化で南シナ海などで緊張が高まり、日本にも地政学的リスクが及びかねない。日経平均1万9000円割れもあり得る」

大和住銀投信投資顧問経済調査部の門司総一郎部長
  「記者会見をきっかけにトランプ氏のタカ派的な通商政策は日本企業にマイナスとの見方が広がりそう。これまでは政策の良い面しか見ていなかったため、ちょっとした発言でリスクオフになり得る。為替は円売りの巻き戻しが続き1ドル=114円台へ、日経平均は1万9000円を割れる公算がある」

三菱UFJ国際投信の石金淳チーフストラテジスト
  「トランプ氏は減税やインフラ投資で経済を活性化させるとの主張を変えないだろう。米経済への期待がつなぎ留められ、ドル高・円安トレンドがすぐに変わることはない。日経平均の予想レンジは1万9200-1万9700円」

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE