6日の東京外国為替市場ではドル・円相場が反発。朝方に約3週間ぶり安値を付けた後、実需の買いなどが入って値を戻した。

  ドル・円は午後3時57分現在、前日比0.8%高の116円24銭前後。早朝には115円07銭と昨年12月14日以来のドル安・円高水準を付けた。その後は水準を切り上げ、一時116円25銭まで上昇した。

  ソシエテ・ジェネラル銀行東京支店の鈴木恭輔為替資金営業部長は、ドル・円相場の反発について、「115円台というレベル観もあって、輸入企業から個人投資家、短期勢まで幅広い買いにより上昇。日経平均株価が寄り付きからの下げを回復していることや、オフショア人民元が下落していることなどもあって、ドルロングの調整による円高の波に乗った円買いポジションの巻き戻しを誘発しているようだ」と指摘した。

  この日の東京株式市場で日経平均株価は0.7%安で取引を始めたものの底堅く、結局は0.3%安の1万9454円33銭で引けた。前日の米国市場では、給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが発表した雇用関連指標が市場予想を下回ったことなどを受けて、株安・ドル安・長期金利低下が進んだ。

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  一方、対ドルで過去最安値1ドル=21.6220ペソを付けたばかりのメキシコペソは、メキシコ中央銀行による連日のドル売り介入にもかかわらず、上値の重い展開となっている。

  SBI証券市場金融部の相馬勉部長は、朝方のドル・円相場の下落について、「年初から中国人民元の激しい動きを見てややリスクオフになっている。ドルロングの手じまい売り」と説明。もっとも「トランプ次期米大統領の就任待ちだが、保護主義云々で劇的にできるかというと、若干変わってくるのではないか。メキシコにはダメージが出ているが、実際は言われているほどではないと思う。レパトリ、財政政策を考えると米国に資金が戻ってくる方向で基調的なドル高は続くと思う」と述べた。

  トランプ次期米大統領の政策を巡っては、ツイッターへの投稿で「トヨタ自動車は米国向けのカローラを生産する工場をメキシコのバハに新設すると言っている。とんでもない。米国に工場を建設しろ、さもなければ高い関税を支払え」とコメントするなど、市場のリスク要因との見方も出ている。

トランプ次期米大統領
トランプ次期米大統領
Photographer: Albin Lohr-Jones/Pool via Bloomberg

  マネースクウェア・ジャパンの工藤隆営業本部法人部長は、「11日の会見を前にして、トランプ氏の保護主義的な考えがかなり出てきており、リスクオフの面が出てきている。日本が3連休なので仲値需要でドル・円は上がったようだが、今夜の米雇用統計次第では再び下げる可能性はある」と述べた。

  6日には12月の米雇用統計が発表される。ブルームバーグ調査によると、非農業部門雇用者数は17万5000人増加、失業率は4.7%が見込まれている。前月は17万8000人増、4.6%だった。また、リッチモンド連銀のラッカー総裁とシカゴ連銀のエバンス総裁が講演する予定。

  三井住友信託銀行NYマーケットビジネスユニットの海崎康宏マーケットメイクチーム長(ニューヨーク在勤)は、「米雇用統計が強くて、行ったとしても116円後半くらいまでかもしれない。米雇用統計が弱いと、さらにポジション調整の動きがもう一段加速する可能性がある」と述べた。

  一方、SBI証の相馬氏は、「市場予想通りなら、失業率は低位なので、ドル高のトレンドは大きく変わらないと思う。今年、米利上げ2-3回をやめる話にはならないだろう。1月にトランプ大統領が就任して投資が出てくれば金利が上昇方向になる」と言う。

  ユーロ・ドルは同時刻現在、0.2%安の1ユーロ=1.0583ドル。朝方に付けた1.0613ドルから一時1.0576ドルまでユーロ安・ドル高に振れる場面があった。前日には一時1ユーロ=1.0615ドルと昨年12月30日以来のユーロ高値を付けた。 

  6日の欧州では、昨年12月のユーロ圏景況感指数と同11月のユーロ圏小売売上高が発表される予定。ブルームバーグ調査によると、景況感指数は106.8、売売上高は前月比0.4% 減少が見込まれている。前月はそれぞれ106.5、1.1%増加だった。

  三井住友信託銀行マーケット金融ビジネスユニット為替セールスチームはリポートで、来週のドル・円は114~118円程度、ユーロ・ドルは1.03~1.07ドル程度のレンジを予想している。

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