6日の東京株式相場は下落。米国の長期金利低下と為替のドル安・円高進行で企業業績に対する楽観的な見方が後退し、輸送用機器など輸出株や鉄鋼など素材株、銀行など金融株が売られた。輸出では、トランプ次期米大統領からメキシコ新工場建設が批判されたトヨタ自動車が安い。

  TOPIXの終値は前日比2.36ポイント(0.2%)安の1553.32と4営業日ぶりに反落、日経平均株価は66円36銭(0.3%)安の1万9454円33銭と続落した。

  ピクテ投信投資顧問の松元浩常務執行役員は、「米雇用統計の発表前に日本株も為替も手じまい。統計で弱い数字が出れば、米利上げへの期待が剥落するリスクがあり、さらにドル売りが出る可能性もある。利上げ加速の流れで進むのかどうか、確認したい」と話した。

トランプ次期米大統領
トランプ次期米大統領
Photographer: Albin Lohr-Jones/Pool via Bloomberg

  米国で5日に発表された給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートによる統計では、昨年12月の民間部門雇用者数は15万3000人増と市場予想の17万5000人増を下回った。

  同日の米S&P500種株価指数は0.1%安と小幅ながら3日ぶりに反落し、米10年債利回りは2.35%と10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下した。きょうのドル・円相場は、朝方に一時1ドル=115円7銭と昨年12月14日以来のドル安・円高に振れる場面があった。5日の日本株終値時点は116円48銭。

  きょうの米国市場では、昨年12月の雇用統計が公表される。非農業部門雇用者数の伸びは、市場予想で17万5000人増の見込み。前月は17万8000人増だった。野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは、ADP雇用統計が軟調だったため、「きょうの雇用統計を慎重に待ちたいというバイアスがかかりやすい」としていた。

  米金利や為替動向に加え、トランプ氏のつぶやきもきょうの日本株売りの一因だ。同氏は5日、ツイッターで「トヨタ自動車は米国向けのカローラを生産する工場をメキシコのバハに新設すると言っている。とんでもない、米国に工場を建設しろ、さもなければ高い関税を支払え」と投稿。きょうのトヨタ株は一時3.1%下落し、メキシコに生産拠点を持つ日産自動車やホンダ、マツダも売られた。東海東京調査センターの中井裕幸専務は、「メキシコに進出している自動車メーカーは多く、政策の悪影響が意識され始めた」と言う。

  ただし、日経平均は朝方に166円安まで売られたものの、その後は下げ渋り。116円台まで円が反転する動きを見せたほか、東京市場は3連休を控え、積極的に売り進む動きも限られた。ピクテの松元氏は、1ドル=115円台でも「しっかり買われている銘柄もある。トランプ氏の政策は基本的にドル高・金利高の方向。政策自体が変わらない限り、ドルも株も現水準は押し目」とみる。

  東証1部33業種は鉄鋼、非鉄金属、輸送用機器、鉱業、銀行、保険など19業種が下落。サービスやパルプ・紙、陸運、情報・通信、食料品、医薬品など14業種は上昇。東証1部の売買高は18億6189万株、売買代金は2兆3537億円、売買高は前日から9%減った。上昇銘柄数は1008、下落は864。

  売買代金上位では、昨年12月の国内ユニクロ売上高が2カ月ぶりに減ったファーストリテイリング、JPモルガン証券が投資判断を下げたJFEホールディングスが安い。半面、ソフトバンクグループや楽天は上げ、日産自動車製の自動運転車両を活用した新たな交通サービスを開発するディー・エヌ・エーも買われた。

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE