欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ドル下落、年初来でマイナス-ロングの手じまい進む

  5日のニューヨーク外国為替市場はドルが下落、米大統領選挙以来の大幅安となった。少なくとも中央銀行2行がドル上昇に歯止めをかける措置を講じた。

  活発なフローの中でストップロスの売りが相次ぎ、ロングポジションが手じまわれた。

  ドルは主要10カ国通貨のすべてに対して下落。新興市場通貨の大半に対しても下げた。米国債の10年債利回りが一時大きく下げたことも、ドルの投資妙味をさらに損ねた。ドルは昨年12月30日の終値以来で0.8%安となっている。

  ニューヨーク時間午後5時現在、ドルはユーロに対して1.1%下げて1ユーロ=1.0607ドル、対円では1.6%安い1ドル=115円35銭。

  メキシコの中央銀行はペソが一時過去最安値に下げたことから、ドル売りの介入を実施。ペソは一時1.5%高まで上昇した。また中国人民銀は本土からの資本流出に歯止めをかけるための行動に出た。

  トロント・ドミニオン銀行の北米為替戦略責任者、マーク・マコーミック氏は、トレーダーやアナリストは「ポジションの反転というよりはスクイーズだ。われわれが注目するメトリックスの大半が、短期で見た場合のドルはかなり過大評価されていると示唆した」と述べた。

  また、バンク・オブ・ノバスコシアのストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は「ファンダメンタルズは特に変わっていない」と指摘。次期政権の国際問題担当財務次官に有力視されているt報じられたデービッド・マルパス氏について、「過去の発言では総じて強いドル主義者だった」と述べた。
原題:Dollar Drops Into Red for 2017 as Stale Longs Bail(抜粋)

◎米国株:3日ぶりに下落、銀行安い-経済指標は強弱まちまち

  5日の米株式相場は3日ぶりに下落。ただ午後に入り下げを大きく縮める展開となった。銀行株が安い。経済指標は強弱まちまちの内容だった。

  S&P500種株価指数は前日比0.1%未満下げて2269。一時は0.4%余り下げる場面もあった。ダウ工業株30種平均は42.87ドル(0.2%)安の19899.29ドル。前日は米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録を受けて幅広く上昇していた。

  相場は全般的に軟調だったが、午後はこの日の安値から戻す展開となった。大統領選挙後の株価上昇に乗り遅れていたディフェンシブ関連が、この日は堅調に推移した。

  S&P500種の業種別11指数では6指数が下落。金融やエネルギーが安い。

  小売株も軟調な展開。百貨店のコールズは19%安。利益予想の下方修正が嫌気された。メーシーズは14%下落。同社は前日に利益見通しを引き下げたほか、6200人の削減を発表した。

  シカゴ・オプション取引所(CBOE)ボラティリティ指数(VIX)は1.5%低下した。
  
  給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが5日発表した給与名簿に基づく集計調査によると、12月の米民間部門の雇用者数は15万3000人増加。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は17万5000人増だった。前月は21万5000人増に修正された。

  先週の米新規失業保険申請件数は前週比で減少し、8週ぶり低水準となった。毎年この時期は、ホリデーシーズンの影響で統計の変動が大きくなる。
原題:U.S. Equities Slip After Employment Data as Bank Shares Decline(抜粋)
原題:Dollar Retreats as Treasuries Jump With Gold: Markets Wrap(抜粋)

◎米国債:大幅高、英投票以降で最大の上げ-各市場の行き過ぎを警戒

  5日の米国債相場は軒並み大幅高。10年債利回りは英国民投票以降で最大の下げとなった。金融市場全体で、これまでの行き過ぎた持ち高を整理する動きが広がった。

  ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.35%。一時は12月8日以来の低水準を付けた。市場のインフレ期待を示すインフレ連動国債(TIPS)10年物との利回り差は、2014年以降で最大近辺から縮小した。

  6日の米雇用統計が低調な内容になるリスクに備え、金融市場全体でこれまでの流れが反転した。トランプ次期政権の政策を見込んだ取引が行き過ぎたとの見方も背景にある。給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが発表した給与名簿に基づく集計調査によると、12月の米民間部門の雇用者数は市場予想を下回る伸びにとどまった。6日には労働省が雇用統計を発表する。

  マニュライフ・アセット・マネジメントのシニアトレーダー、マイケル・ロリジオ氏(ボストン在勤)は「今年広く予想されていた一連の取引は全て同時に崩れている。原油相場が下げ、投機適格級の社債スプレッドが拡大し、TIPSと通常国債の利回り差が縮小した。これを受けて米国債が上昇している。利回りが主要な水準を割り込んだため、さらに買いが誘われた」と述べた。

  他の市場ではドルが下落し、S&P500種株価指数は今年初めて下げた。

  トレーダーによると、先物市場で膨らんでいた売り持ち高の影響で米国債の値動きが増幅され、先物市場では大商いとなった。商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、12月27日に終わった1週間に非商業筋の5年債と10年債の売越幅は過去最大に膨らんでいだ。

  6日にはシカゴ連銀のエバンス総裁やリッチモンド連銀のラッカー総裁、ダラス連銀のカプラン総裁の講演が予定されている。
原題:Treasuries Soar Most Since Post-Brexit Vote on Market Volatility(抜粋)

◎NY金:上昇、4週間ぶり高値-ドルの下落や逃避需要で買い

  5日のニューヨーク金相場は上昇し、4週間ぶりの高値となった。ドルの下落が背景。トランプ次期大統領の政策が及ぼす影響をめぐる不透明感も、逃避需要の買いを促した。

  シンクマーケッツUKのチーフ市場アナリスト、ナイーム・アスラム氏は前日公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録を受けて、「ドル強気派が慎重になった」と電子メールで指摘。「多くの要素が同じ方向に動いており、グローバリゼーションや融合の動きを大きく脅かしている」とし、「こうした状況では金がかなり魅力的になる。金は1200ドルの抵抗線を上抜ける可能性が高いと当社では考える」と述べた。

  ブルームバーグのデータによると、ニューヨーク時間午後2時22分現在、金スポット相場は前日比1.5%高の1オンス=1180.62ドル。一時は1.8%上昇する場面もあった。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物2月限は1.4%高の1181.30ドルで終了。

  銀とプラチナのスポット相場も値上がり。パラジウムは5営業日ぶりに下落、前日までの4日間で11%上昇していた。
原題:Gold Climbs to Four-Week High on Dollar’s Drop and Haven Demand(抜粋)

◎NY原油:続伸、サウジが減産完全順守の方針-米在庫は減少

  5日のニューヨーク原油先物市場ではウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物が続伸。サウジアラビアは石油輸出国機構(OPEC)減産合意を完全順守するつもりだと、事情に詳しい関係者が述べた。米エネルギー情報局(EIA)の週間統計では、原油在庫がほぼ4カ月ぶりの大幅減少となった。

  エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は電話取材に対し、「市場は今もなお、OPECの動向と加盟国による減産合意の実行に目を光らせている」と指摘。「サウジは最も重要な加盟国であり、先導役を果たしているようだ」と続けた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物2月限は前日比50セント(0.94%)高い1バレル=53.76ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント3月限は43セント(0.8%)上昇の56.89ドル。
原題:Oil Rises as Saudi Arabia Said to Comply With OPEC Output Cuts(抜粋)

◎欧州株:ほぼ変わらず-ユーロ反発が業績圧迫との見方も

  5日の欧州株式相場はほぼ変わらず。ドルが対ユーロで急落したことを受け、ユーロ反発が欧州企業の業績を圧迫するとの懸念もささやかれた。

  ストックス600指数は前日比0.1%高の365.64で引けた。景気拡大とインフレ上昇への期待から年初来では1.2%上げている。4日公表された米連邦公開市場委員会(FOMC、12月13-14日開催)議事録でドル高への懸念が強まっていることが明らかになり、利上げ時期が市場予想よりも遅れるとの見方が浮上した。これを受け対ドルで前日0.8%上昇したユーロは、この日も一時1%上げた。

  CMCマーケッツのチーフ市場アナリスト、マイケル・ヒューソン氏(ロンドン在勤)は「米当局者は将来的な利上げの道筋について、確信を大きく後退させたようだ」とし、「ドルが大幅に売られた理由は恐らくこれだろう」と語った。

  個別銘柄では、英住宅建設会社パーシモンが7.2%上昇。堅調な需要を背景に、昨年の増収を確保したと発表した。英FTSE250指数は0.9%上げた。
原題:European Stocks Hold Steady as Euro Rebound Gives Traders Pause(抜粋)

◎欧州債:ドイツ国債が上昇-ポルトガルとイタリアの国債は下げる

  5日の欧州債市場ではドイツ国債が上げた一方、ポルトガルとイタリアの国債が売られる展開となった。

  ドイツ10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の0.24%。

  これに対し、ポルトガル10年債利回りは14bp上昇の4.03%、同年限のイタリア国債は6bp上げ1.93%となった。
原題:EUROPEAN WRAP-Stoxx 600 Closes Little Changed Amid Euro Rebound(抜粋)

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