香港の資産運用者アレックス・ウォン(黄国英)氏は、有望なリターン獲得先を探して金融データを丹念に調べる際、確率判断のための自身の長年の経験を利用する。子どものころから競馬を観戦してきた同氏は、競馬が市場での売買に全てつながっていることを学んだ。

  「最初はもちろん勝ちたいと思う。そして最も勝つ見込みのある馬に賭ける。でも徐々に、それが望ましい方法ではないことが分かるようになる」。ウォン氏(48)はこう話し、「自分にとってより好ましいオッズ(確率、倍率)を見つけなければならない」と語った。

アレックス・ウォン氏
アレックス・ウォン氏
Photographer: Anthony Kwan/Bloomberg

  その銘柄がリターンを獲得できるだけのバリュエーションにあるかどうかを探るウォン氏の手法は実った。

  同氏は地元香港の顧客が大半の小さなファンド運用会社アンプル・キャピタルに在籍。ブルームバーグが1700本余りのファンドを対象に集計したデータによると、アンプルのグローバルファンドは過去5年の運用成績で競合ファンドの99%を破り、過去3年でも91%に打ち勝った。

  ウォン氏は先月のインタビューで、米国の金融株が魅力的に思えるとし、米テクノロジー株も引き続き強気でみていると述べた。世界の株式や通貨、デリバティブ(金融派生商品)に投資するアンプルの「レバレッジ・パートナーズ・アブソルート・リターン・ファンド」は過去3年、配当を含めて年率プラス7.3%のリターンを計上。2016年は年初から11月末までの成績がプラス5.4%だった。同ファンドは特定の指数をベンチマークに設定することはしていない。

 

飼い猫の写真でデザインしたウォン氏の傘
飼い猫の写真でデザインしたウォン氏の傘
Photographer: Anthony Kwan/Bloomberg

  ウォン氏は香港大学卒業後、地元の投資助言会社に入りテクニカルアナリストとしてキャリアをスタートさせた。その後は調査部門や香港小型株担当などを経て資産運用者となった。

  同氏はこれまでに幾つか挫折を味わってきた。アジア通貨危機を経て、センチメントが変化する初期の兆候に注意を払うことに敏感になった。証券会社勤めだった1997年当時、同氏は個人で行っていた投資の利益が一日で吹き飛ぶ経験をした。2014年には香港上場の銀行株や資源株に売りを仕掛けるのが早過ぎて、損失覚悟の買い戻しを強いられた。

  ウォン氏は若い時に競馬で学んだ教訓を生かして、こうした失敗をより優れた運用者になるための糧にしている。「競馬が上手になるには数多くの負けを経験しなければならない。株式市場と非常によく似ている。勝利を取り戻すためには多くの敗北を受け入れることが必要だからだ」と同氏は語った。

原題:Top Investor Smashes Peers After Learning to Bet on Horse Races(抜粋)

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