ドナルド・トランプ次期米大統領はメキシコで生産された米ゼネラル・モーターズ(GM)の自動車に輸入関税を課す考えを示唆したが、実行に移せば北米自由貿易協定(NAFTA)に違反する。それでも米企業に対する前代未聞の対応を止めることはできないかもしれない。

  後に裁判所で違法との判断が下される可能性があるとしても、大統領には少なくとも一時的な措置として輸入製品に制裁を科す広い選択肢があると、貿易専門家はみている。

  しかしこうした専門家によれば、トランプ氏が3日にツイッターへの投稿で示唆した、GMだけを関税の標的にするのは前例がなく、NAFTAの下で認められていない。GMのみならず、メキシコに生産を移管した米企業に関税で懲罰するのは、メキシコからの反発を招き、米国からの輸出を損ないかねず、メキシコからの輸入価格すべてを上昇させる可能性がある。

  外交問題評議会(CFR)のエドワード・オールデン上級研究員は 「特定企業の投資先決定に介入するために緊急的な関税引き上げ権限の行使を示唆するのは、前例のない行為であり、議会が意図していた権限をはるかに超えている」と指摘。「戦略が気に入らないからと単独企業に権力を行使するのは、未踏の領域の話だ」と述べた。

  トランプ氏は3日、GMがメキシコで生産した「シェビー・クルーズ」に「多額の関税」を課す意向をツイッターで表明。同日、フォード・モーターはメキシコで予定していた工場新設の計画を白紙に戻し、ミシガン州の工場で雇用を増やすと発表した。

  GMの広報担当者は、同社がメキシコから輸入しているのはクルーズのハッチバック4500台だけだと説明。別の同社広報担当者は、米国で消費者が購入するクルーズのセダン約19万台はすべてオハイオ州ローズタウン工場で生産されていると述べた。

原題:Trump Tariff on GM Would Violate Nafta. That May Not Stop Him(抜粋)

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