債券相場は上昇。今年最初の10年利付国債入札では、投資家需要を背景に順調な結果となったことから買い安心感が広がった。一方、超長期ゾーンは来週の30年債入札に向けた売りなどで軟調となり、利回り曲線はスティープ(傾斜)化した。

  5日の長期国債先物市場で中心限月3月物は、前日比3銭安の150円01銭で開始し、150円00銭まで下落。直後から水準を切り上げ、150円20銭まで上昇。結局は12銭高の150円16銭で引けた。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、10年債入札について「新味は久しぶりにプラス圏に戻った前回ほどではなかったが、円債の需給と米金利動向という環境面では買いやすかった」と述べた。「今月は日銀のオペが入札と決定会合がある日以外は毎日ある見通しで、需給面の不安は後退。日銀が普通に買っていけば金利は下がる方向だ」と話した。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)高い0.065%で開始し、その後は0.055%に下げている。

  超長期債は軟調。新発20年物の159回債利回りは1.5bp高い0.61%、新発30年物の53回債利回りは一時2bp高い0.76%と、ともに昨年12月半ばの水準まで売られた。

  野村証券の松沢中チーフストラテジストは、超長期債について、「問題は10年債入札をこなした後、超長期債への超過需要が消え、プラス金利に対するプレミアムがはく落していくこと。10年債入札後は来週の30年債入札への警戒が重しになるだろう」と指摘した。

10年入札結果

財務省
財務省
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  財務省が実施した10年債入札結果によると、最低落札価格は100円40銭と、予想を1銭上回った。小さければ好調を示すテール(最低と平均落札価格の差)は3銭と前回8銭から縮小。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.59倍と前回3.78倍から低下した。

10年債入札結果についてはこちらをご覧下さい。

  大和証券の小野木啓子シニアJGBストラテジストは、10年債入札について、「投資家需要への期待が強い中、ショートカバー需要もあり、順調だった」と指摘した。

  三菱UFJモルガン証の稲留氏は、「米金利の上昇も一服しており、今後はトランプラリーの熱狂が冷めて米10年債利回りで2%割れもあり得る。円債には需給、米金利の両面で追い風となるだろう」と話した。

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