ドナルド・トランプ次期米大統領は3日、自動車メーカーに対して米国内に雇用維持を求める取り組みで最大の勝利を収めた。トランプ氏から選挙戦中に頻繁に批判されていた米フォード・モーターが、16億ドル(約1890億円)のメキシコ工場新設計画を白紙撤回し、代わりにミシガン州の工場で増員すると発表したからだ。

  同社の発表に先立ちトランプ氏は同日午前にゼネラル・モーターズ(GM)がメキシコで生産する一部コンパクトカーについて批判。GMからは反論されたが、その後間もなくのフォードの発表でムードは一転した。

  フォードのマーク・フィールズ最高経営責任者(CEO)は700人の増員を行うミシガン州フラットロックの工場で記者団に対し、「当社が米国の雇用のために投資を行うことに」トランプ氏は極めて満足していると指摘。「われわれが注目する要素の一つは、トランプ次期政権下で見込まれる一段と明るい米国の経営環境とトランプ氏が概要を示している成長促進策だ。これはその点についての信任投票だ」と説明した。

  トランプ氏はここ数十年にわたり人件費の低い国に雇用を移してきた米製造業の再生を目指すと公約している。同氏は一貫して産業界に干渉する姿勢を取っており、ボーイングやロッキード・マーチン、ユナイテッド・テクノロジーズなどの企業が雇用移転や価格設定でやり玉に挙げられている。こうした同氏のアプローチについてアナリストは長期的な有効性を疑問視するものの、3日のような短期的な成果はあり得る。

  3日の外国為替市場では、トランプ氏がメキシコ投資の抑制に成功しているとの懸念が広がり、メキシコ・ペソ安が進み1ドル=21ペソを超えた。メキシコ経済省は声明で、フォードの計画撤回は「遺憾」だとコメントするとともに、1994年発効の北米自由貿易協定(NAFTA)に引き続きコミットすると表明した。

原題:Trump Wins in Automaker Attack as Ford Aborts Mexico Plant (2)(抜粋)

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