トランプ次期米大統領の下での同国の単独主義や中国による覇権主義の高まり、メルケル独首相の政治的弱体化によって、2017年は政治リスクの面で第2次世界大戦以降で「最も不安定」な年となるだろう。ニューヨークを本拠とするコンサルティング会社ユーラシア・グループはこのような見通しを示した。

  同社は3日に公表した年次展望リポートで、「われわれは17年に地政学的なリセッション(景気後退)の期間に入る」と指摘。国際的な戦争ないし「主要な中央政府制度の破綻」は不可避ではないが、「こうした帰結は今や想定され得るものとなっている」と分析した。

  政治リスクをめぐり投資家に助言する同社は、「米国第一主義」を公約に掲げるトランプ氏が大統領に就任することで、世界経済は米国が「ガードレール」役を果たすのをもはや期待できなくなると指摘。トランプ氏がロシアとの関係改善の意向や、北大西洋条約機構(NATO)への懐疑的な姿勢を示唆し、フランスの国民戦線(FN)など欧州の反エスタブリッシュメント(権力層)政党に同調していることで、世界秩序を守ってきた戦後の主要な同盟が弱まりかねないという。

  同社が列挙した警告は、ドイツとオランダの総選挙やフランスの大統領選、英国の欧州連合(EU)離脱に向けた動き、ブラジルなど新興市場国の挫折、難民危機といった安定に対する今年予想される一連の脅威を想起させるものだ。

  そうであっても、米国は力強さを増す可能性があるとユーラシア・グループのイアン・ブレマー社長は語る。同氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「17年には地政学的に見て、過去数十年で経験した中で群を抜いて最悪の環境となる恐れがあるが、米国市場への投資と米ドル高は勢いを増すだろう」と話した。

原題:Most Volatile Year for Political Risk Since WWII Seen by Eurasia(抜粋)

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