4日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が上昇。前日の米国市場の良好な経済指標や株高を好感したドル買いの流れが続いた。

  ドル・円は午後3時32分現在、前日比0.2%高の1ドル=117円99銭前後。早朝に付けた117円54銭から一時118円19銭まで上昇した後は、もみ合う展開となっている。
  
  野村証券外国為替部の高松弘一エグゼクティブ・ディレクターは、ドル・円について、「特に材料はないが、昨日の強い米供給管理協会(ISM)や中国購買担当者指数(PMI)を受けたリスクオンの動きを冷やすような材料もなくじり高推移となっている。3月米連邦公開市場委員会(FOMC)を控える中で重要な米雇用統計を前にドルロング(買い建て)を外す人もいない」と指摘。ただ、「118円半ばをアグレッシブに買う向きはまだ出てこない。米雇用統計を受けて高値を買う動きが出てくるかに注目したい」とも述べた。

  ブルームバーグ調査によると、6日発表の12月米雇用統計では、非農業部門雇用者数は18万人増加が見込まれている。米金利先物動向に基づきブルームバーグが算出した予想確率によると、3月のFOMCでの利上げの可能性は3日時点で34.8%となっている。

  主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.05%低下の1276.94前後。3日には一時1280.78とデータの提供を開始した2004年12月以降で最高水準を記録した。

  ソシエテ・ジェネラル銀行東京支店の鈴木恭輔為替資金営業部長は、「まだメーンテーマが米利上げ期待なのか、トランプ政権への期待なのか見えづらい状況」と言い、「ドルインデックスと米金利を見ると、ドルインデックスの上昇が米金利の上昇をオーバーシュートしているようにも見える。このため、昨年12月高値118円66銭が見えてくると足踏みしやすくなっている」と説明した。

  大発会の東京株式相場は上昇。TOPIXは大納会の終値比2.4%高の1554.48で取引を終えた。時間外取引の米国債10年物利回りは一時3ベーシスポイント(bp)高の2.4756%を付けた。

  しんきんアセットマネジメントの加藤純シニアファンドマネージャーは、「年末にかけてポジション調整を終わらせたことで、年を越してからは株が上がり、ドルが上がっている。3日に118円60銭まで上昇したが、12月高値118円66銭を超えられなかったところを見ると、基本的にはあくまで年末にかけての調整の戻しの範囲なのだろう。トランプラリーへの期待で動き出したものの、基本的には様子見の姿勢が強いのではないか」と述べ、目先は116~119円のレンジを想定している。

  3日の米国市場でドルは上昇。ドル・円は一時118円60銭と昨年12月15日以来の円安・ドル高水準を付けた。12月のISM製造業総合景況指数が54.7と市場予想(53.8)を上回り、4カ月連続で上昇したことが背景。

  バンク・オブ・アメリカ外国為替本部の岩崎拓也営業本部長は、「ドル買いの流れは変わらない。年初の動きは象徴的で、押し目買いの姿勢」と説明。「海外市場でドルに利食い売りが先行していたが、取引は軽かった。シカゴ通貨先物市場(IMM)の円ショート(売り建て)が膨らんでいる。年末の調整は健全なものだった」と語った。

  シカゴ通貨先物市場の直近のデータによれば、12月27日時点の円ネットポジションは、円ショートが2015年8月以来の水準となる8万7009枚まで膨らんだ。

  4日の米国では、12月開催のFOMC議事録が公表される予定。同会合では政策金利を25bp引き上げ、0.5〜0.75%とした。政策金利予測(中央値)に基づく来年の想定利上げ回数は3回と前回予測の2回から増えた。  

  新興国通貨ではメキシコペソの下落が目立っている。一時は1ドル=21.1389ペソと昨年11月11日に付けた過去最安値(21.3897ペソ)以来のペソ安・ドル高水準まで売られた。

  バンク・オブ・アメリカの岩崎氏は、「通貨騰落率でみると、メキシコペソの下落が大きい。新興国通貨がリスク視されている段階ではないが、注視していく必要がある」とした上で、「米通商代表部代表に対中強硬派のライトハイザー氏が就任する。人民元安に注意」とも述べた。一方、「新興国通貨がリスク視される場合は、リスク回避で円売りが進みづらい」と言い、「クロス円の頭打ち要因になる」と指摘した。

  ユーロ・ドルは同時刻現在、0.1%高の1ユーロ=1.0411ドル。朝方に付けた1.0424ドルから一時1.0390ドルまでユーロ安・ドル高に振れる場面があった。前日には一時1ユーロ=1.0341ドルと、2003年1月以来となる約14年ぶりのドル高・ユーロ安水準を付けた。

  ソシエテ・ジェネラル銀の鈴木氏は、ユーロ・ドルについて、「1.03ドル割れが視野に入っている。割れれば、1.0250ドルまで下値リスクが広がるため、ユーロ主導でのドルの動きにも注目したい」と語った。

ユーロ紙幣
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Bloomberg

  4日の欧州では、12月のユーロ圏消費者物価指数速報値が発表される予定。ブルームバーグ予測調査によると、前年比1.0%上昇が見込まれている。11月は0.6%上昇だった。

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