英国の欧州連合(EU)離脱交渉を控え、同国のロジャーズ駐EU大使が突然に辞意表明した。3月末までにEU離脱プロセスを正式開始したいメイ首相だが、EUに関して経験豊かなスタッフの1人を失うことになる。

  ロジャーズ氏はキャメロン前首相が任命、昨年6月の国民投票を前にした対EU関係の再交渉で要の人物だった。同氏は今年11月に退任の予定だったが、3日に早期辞任を発表したと、外務省は説明。2013年11月から務めた駐EU大使職を今月半ばに退くという。

  同氏はブリュッセルに駐在する同僚宛てのメッセージで、EU離脱協議の難しさについてメイ首相に「不愉快な」真実を伝える必要があると主張。ロンドンの英政府から聞こえる「根拠のない議論や統一性に欠ける見解には引き続き異論を唱え、権力を握る者に真実を語ることを決して恐れてはならない」とし、「われわれが持つ最高の経験を政府が生かして初めて、英国にとって最善の結果を得られる」と強調した。メッセージはBBC放送が入手し、ウェブサイトに掲載した。

  ロジャーズ氏はメイ政権は経験ある交渉担当者を欠いており、ロンドンの担当チームはブリュッセルの駐EU大使と緊密で強力な関係を築く必要があるとも指摘。離脱強硬派からEU寄りだと批判を浴びる一方で、ソフト離脱派からは外交に強く妥協点を見いだす寛容さを持ち合わせた人材と目されたロジャーズ氏の突然の辞任は、英政府の姿勢が強硬になりつつあることを示唆している。

原題:May’s Brexit Plans Hit Turbulence as U.K. Envoy to EU Quits (1)(抜粋)
原題:‘Muddled Thinking’ Could Hurt Brexit Talks, Says Ex-U.K. Envoy (抜粋)

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