スリランカの幼なじみ2人が日本で手掛けるロボ事業-上場も視野

  • 2020年の東京五輪までの上場を視野、100億円規模の資金調達計画
  • ドローンによる造船所や発電所などの監視システム提供を5月に

ラピュータ・ロボティクス(東京都中央区)は、小型無人飛行機(ドローン)などのロボットを制御するソフトウエアをクラウド上で管理し、大規模施設の警備など顧客の要望に添ったサービスを提供する事業を本格的に開始する。  

  同社は、スリランカで幼少時から知り合いだった最高経営責任者(CEO)のモーハナラージャ・ガジャン氏(36)と最高執行責任者(COO)のクリシナムルティ・アルドチェルワン氏(32)の2人が、スイス人の最高技術責任者(CTO)とともに、事業に適した環境が整う日本で2014年7月に設立した。

  17年5月にはドローンを使った造船所や発電所といった施設の監視システムの提供を開始する予定。単純にハードウエアとしてドローンを販売するのではなく、ドローンを制御するソフトウエアのクラウド上での管理や更新まで含めた包括的なサービスを月額制で提供する。

  同社の強みはクラウドを通じたドローンなどロボットの制御技術や複数のロボットを用いたシステムの開発技術。モーハナラージャ氏はブルームバーグのインタビューで、数年で黒字化し、東京五輪までに上場して100億円規模の資金を調達したい考えを明らかにした。調達した資金は技術開発などに充てることを計画している。

  同氏はロボットビジネスの立ち上げには時間がかかると指摘する。「インベスターも、一緒にやっているお客様も新しいものやロボットが好きで、失敗はあったが長く付き合ってくれた。日本を選んでよかった」と話した。

圧倒的なネットインフラ

  またCOOのクリシナムルティ氏は、人口減少や東京五輪の開催を控え「ロボットのビジネスチャンスは日本にある」と分析。同社のビジネスに必要なインターネットのインフラについても「日本は圧倒的」だと話した。

  2人を日本に結びつけたのは文部科学省の奨学金。モーハナラージャ氏は久留米工業高等専門学校を卒業し、東京工業大学で制御システム工学の学士号と修士号を取得した後、チューリッヒ工科大で博士号を取得した。COOのクリシナムルティ氏も東工大で制御・システムエンジニアリング学士号を取得。米コロンビア大学にて経済数学修士号を得た後、野村ホールディングスで株式デリバティブ戦略に関わった。

  同社に集まった人材は国籍もこれまでの経歴も多種多様。出身企業はソニーやスクウェア・エニックス・ホールディングス、ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェースとさまざまだ。

  モーハナラージャ氏によると、同社はソフトバンクグループが開催している事業化支援プログラムのドローン分野に応募。ソフトバンクはインフラの点検や災害対応、警備や監視といったテーマでドローンと通信の強みを活かした事業の提案を募集している。

  ソフトバンク広報担当の中垣直之氏によると現在このプログラムで採用する事業を選考中で、17年3月末までに結果を発表する予定。選考を通過した案件には試作品の開発費用を提供するほか、試験販売の実施も支援する。

  同社はこれまでにSBIホールディングスやサイバーダインなどから計13億5000万円の資金を調達している。サイバーダインは15年1月の発表で、ラピュータが「ドローンの安定化制御技術の点で抜きんでている」と評価した。

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