米ブラックストーン・グループのバイロン・ウィーン氏が公表した毎年恒例の「びっくり10大予想」によれば、経済成長が勢いづいてリスク資産需要が高まる中で米国株は今年12%上昇する一方、米国債相場は下落する見通しだ。

  ウィーン氏はS&P500種株価指数が2500に上昇し、同指数構成銘柄の1株利益は130ドルに増加すると予想した。同指数は昨年9.5%上昇し、ウィーン氏の予測は外れた。

  2017年について同氏は、米国内総生産(GDP)伸び率が3%に加速し、米10年債利回りは4%に近づくと予測。ドイツのメルケル首相が再選を逃すとの見方も示した。ウィーン氏によるS&P500種の予想水準はブルームバーグが集計したアナリスト予想平均を5.7%上回る。

  同氏は発表文で、「投資家は米経済が長期的な成長軌道に戻ると確信するようになった」と指摘した。

  同氏のこうした楽観的見通しとは対照的に3日は世界の先行きに関する警告が相次いだ。サマーズ元米財務長官は同日、ドナルド・トランプ次期米大統領の政策のリスクを投資家が見落としていると指摘。ユーラシア・グループのアナリストは、トランプ氏の政策が一因となって世界の不安定さのレベルが第2次大戦以降見られなかった水準に達する恐れがあると分析している。

  モルガン・スタンレーの元ストラテジストのウィーン氏(83)は1986年以降、「びっくり10大予想」を公表している。昨年の予想の大部分は実現しなかった。米連邦公開市場委員会(FOMC)が1回利上げするとの予想は的中したが、大統領選でヒラリー・クリントン前国務長官が勝利するとの見込みは外れ、1バレル=50ドルを超す原油価格の上昇は予測していなかった。

  2017年のウィーン氏のその他予想は以下の通り。
◎14年以来初の生産性向上が見込まれる。
◎円は1ドル=130円に。英国の欧州連合(EU)離脱が近づき英ポンドは1ポンド=1.10ドルに下落へ。ユーロは対ドルで等価を割り込む。
◎インフレ率は3%に向かい、資金需要が再び強まり金利は全体的に上昇へ。
◎ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は17年の大部分の間、1バレル=60ドル割れの水準で推移へ。生産増加が需要の伸びを相殺する。
◎トランプ氏は事実上全ての問題に関する極端な立場から離れ、一部支持者を失望させる。
◎トランプ氏は中国について誤解していたと気づく。中国人民元は1ドル=8元に下落へ。トランプ氏は貿易戦争回避のため報復関税を避け、中国とより協力的な関係を構築する。
◎欧州にポピュリズム(大衆迎合主義)が広がり、フランスとドイツの選挙に影響へ。EUの有用性に疑念が強まり、年末までにはEU廃止やユーロを捨てて各国通貨に戻るためのプランが活発に議論される。
◎日本の実質成長率は数十年ぶりに2%を超え、日本は年間の株価上昇で他の先進国をリードへ。

原題:Byron Wien Sees Stock Rally After Last Year’s Calls Fizzled (1)(抜粋)

(サマーズ氏の発言を追加して更新します。更新前の記事は第一段落の誤字を訂正済みです.)
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