英国が欧州連合(EU)離脱の正式なプロセスを開始するのを控え、同国金融業界から早ければ数週間以内にも職員の異動が始まり、うち2万人の異動先がパリとなる可能性がある。パリのロビー団体であるユーロプレースが見通しを示した。

  ユーロプレースではロンドンを拠点とする金融企業幹部らと、2月に複数回にわたって会合を開く。フランクフルトなど競合都市と人材の誘致合戦を繰り広げる中、この会合向けなどに用意した説明資料で同団体はパリの利点を強調。パリは金融業界の雇用者がすでに18万人を超え、ユーロ圏最大の債券市場があり、資産運用担当者の数も2番目に多いとしている。

Europlace Delegate Arnaud de Bresson speaks at the Europlace meeting in Paris, France, Tuesday, July 5, 2005.
Europlace Delegate Arnaud de Bresson speaks at the Europlace meeting in Paris, France, Tuesday, July 5, 2005.
Photographer: Lucas Schifres/Bloomberg News.

  ユーロプレースのマネジングディレクター、アルノー・ドブレッソン氏はロンドンで行われたインタビューで「春休みまでに決定が下される感触を得ている」とし、「金融機関は早めに判断しようとしているようだ」と続けた。

  EU離脱による英国からの職員異動をめぐっては、HSBCホールディングスが昨年6月の国民投票前に状況次第で最大1000人をロンドンからパリに移す計画を表明。シティグループはロンドンを拠点とする株式・金利デリバティブ(金融派生商品)トレーダーの一部をフランクフルトに移すことを検討しているという。

  またJPモルガンのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)はフィナンシャル・ニュースが3日掲載したインタビューで、4000人の雇用を英国から移すことになりかねない「シナリオもある」と発言。4000人という数字は国民投票前にも言及していた。移転は数年をかけて行われるだろうとしつつ、英国が銀行サービスについて暫定的な合意をEUと結べない場合、移転のプロセスを加速させることもあり得るとくぎを刺した。

  パリはソシエテ・ジェネラルやBNPパリバなど欧州最大級の銀行数行を抱えているものの、銀行の国際ハブとしては英国やドイツに大きく劣る。グローバル・フィナンシャル・センターズ・インデックスがまとめたランキングでは29位と、モロッコのカサブランカを1ランク上回るにすぎず、金融企業には非友好的とみられている。

原題:Paris Eyes Luring 20,000 Bankers From London as Brexit Nears (1)(抜粋)

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