米下院共和党は3日、議員の不正行為を調査する議会倫理局の独立性を奪い、権限を事実上弱める方針を撤回した。トランプ次期大統領がこの方針について、自身が掲げる公約「Drain the swamp」(ワシントンの汚水を洗い流す)に反する動きだと批判したことが背景にある。

  議員3人によれば、批判が高まる中で下院共和党は3日に緊急の会議を開き、2日に承認した広範な規定修正案から議会倫理局の権限を弱める方針を削除することを発声投票で決定した。議会の初日は通常、議員が家族を議場に連れてくるなどなごやかな雰囲気となるが、第115議会では議会倫理局をめぐる今回の動きが暗い影を落とした。

  ウォルター・ ジョーンズ下院議員(共和、ノースカロライナ州)は「われわわの事務所を含め各地区の事務所は大量の苦情の電話を受けた」と述べた。

  米下院共和党は2日夜、予告なしに非公開の党員集会を開き、議会倫理局を下院倫理委員会の「監督下」に置き、その権限を大幅に制限することを盛り込んだ広範な規定修正案を投票にかけ、承認した。規定修正案から議会管理局の権限縮小に関する方針が削除されたことを確認したのはモリス・ブルックス議員(アラバマ州)、ダレル・アイサ議員(カリフォルニア州)、ビル・フローレス議員(テキサス州)の3人。

  トランプ次期米大統領は3日朝、ツイッターに「独立した議会倫理局が公正ではない可能性があるにせよ、議会が取り組まなければならないことがこれだけ多くある中で、この権限を弱めることを最初の行動そして最優先事項とする必要が本当にあるのだろうか」と投稿。「税制改革や医療制度など、はるかに重要度の高い他の多くの問題に集中すべきだ」と連投した。ツイートの最後にはハッシュタグ「#DTS」を付けた。これはトランプ氏の大統領選中の公約である「Drain the swamp」(ワシントンの汚水を洗い流す)の頭文字。

  規定修正案は下院司法委員会のボブ・グッドラット委員長(バージニア州)が提案した。

  民主党のペロシ下院院内総務は「共和党議員は『ワシントンの汚水排出』を望むと言いながら、新たな議会が始まる前夜にまず、議員の倫理を監視する唯一の独立機関を排除した」と批判。「共和党が支配する新議会で最初の犠牲になったのが、倫理であることは明らかだ」と続けた。

  ライアン下院議長(ウィスコンシン州)は3日、下院共和党が方針を転換する前の声明で、今回の規定修正案を擁護。議会倫理局は今後も「独立して運営される」と表明していた。

原題:House GOP Reverses Course on Ethics Change After Trump Criticism(抜粋)

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