債券相場は下落。長期金利は約2週間ぶり水準まで上昇した。2017年最初の10年利付国債入札を翌日に控えた売りに加え、国内株式相場の堅調推移が重しとなった。午後は日本銀行の長期国債買い入れオペ結果を受けて超長期ゾーンを中心に安くなり、利回り曲線はスティープ(傾斜)化した。

  4日の長期国債先物市場で中心限月3月物は、前営業日の終値比横ばいの150円24銭で取引開始。直後から水準を切り下げ、一時は149円98銭まで下落。結局は20銭安の150円04銭で引けた。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の345回債利回りは、日本相互証券が公表した前営業日午後3時時点の参照値より2ベーシスポイント(bp)高い0.06%で始まり、一時は0.07%と昨年12月21日以来の高水準を付けた。

  新発20年物の159回債利回りは3.5bp高い0.605%、新発30年物の53回債利回りは4bp高い0.75%と、ともに昨年12月半ばの水準まで売られた。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「10年債入札を控え、株価もこの勢いとあって、円安・株高の流れが今年も続く中で日本国債は上値が重いという大方の予想通りの展開で始まった。米雇用統計を控えている面もある」と指摘。「10年債入札は0.1%を上回る落札はないというコンセンサスがあるとはいえ、流通利回りが0.05%を下回るのはどうかと思っていたところ、今日調整が入ったので買いやすくなった」と述べた。

  財務省は5日、10年利付国債の価格競争入札を実施する。発行予定額は2兆4000億円程度。表面利率は0.1%に据え置かれ、345回債のリオープン発行となる見込み。

  SMBC日興証券の森田長太郎チーフ金利ストラテジストは、「足元で為替と株価が日本国債にとっては逆風になっており、どちらかというと金利上昇バイアスがかかっている。5日の10年債入札はプラス利回りに戻って2回目になるので、もう飛びついて買う感じではなくなっており、一定水準の利回りは必要だ」と指摘。ただ、「日銀がコントロールしている市場なので、波乱は考えにくい」との見方を示した。

  東京株式相場は大幅高。米国や中国の良好な製造業関連統計に加えて、為替の円安推移が好感された。日経平均株価は2.5%高の1万9594円16銭で終了した。

日銀国債買い入れ

  日銀はこの日午前の金融調節で、今月1回目の長期国債買い入れオペを実施。残存期間「1年超3年以下」が4000億円、「3年超5年以下」が4200億円。「10年超25年以下」が1900億円、「25年超」が1100億円と、いずれも前回のオペと同額だった。

日銀の長期国債買い入れオペ結果はこちらをご覧下さい。

日本銀行本店
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  日銀は昨年末に発表した「当面の長期国債買い入れの運営について」で、1月最初の買い入れ額を前回のオペから据え置いた。一方、月間のオファー回数については「1年超5年以下」で従来の6回程度を5~7回程度、「5年超10年以下」で6回程度から5~7回程度、「10年超」で5回程度から4~6回程度とやや幅を広げた。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、「12月は市場で金利上昇への対応として超長期オペを6回に増やすとの思惑もあった。今回の発表を見ると、こうした議論がおそらく実際にあったのだろう」と分析。「レンジの回数を上下に広げただけのため、どちらかに偏っているわけではない。市場への直接的な影響はないだろう。今回の変更で、より市場の状況に対するオペの機動性を確保した」と述べた。

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