2017年のアフリカ経済は前年に比べ成長ペースが加速する公算が大きい。それは主にナイジェリアがリセッション(景気後退)脱却に向かうためだ。だが、アフリカ経済が00-14年に見られたような4-7%成長に近づく可能性は小さい上、中国の潜在的な需要鈍化をはじめとした多数のリスクに当面直面することになりそうだ。世界経済をめぐる不確実性の高まりを踏まえると、各国指導者は輸出に依存するよりも、どのように自前で需要を満たすのが最適であるかに重点を置くのが賢明だろう。

  アフリカ諸国の大半は16年を忘れ去りたい気分だろう。国際通貨基金(IMF)は10月、サハラ砂漠以南のアフリカ地域の実質国内総生産(GDP)の伸びが16年はわずか1.4%にとどまるとの見通しを示した。これは国連経済社会局(DESA)が示した15-20年の年間人口増加率予想の2.6%を下回る。比較的裕福な石油輸出国の方が一層貧困な国々よりも大きな打撃を被るとはいえ、これはアフリカの多くの人々の生活水準の低下を意味する。また、中期的スパンでもアフリカ大陸は逆風に直面する。英国民投票での欧州連合(EU)離脱選択と、米大統領選でのドナルド・トランプ氏勝利によって、サハラ砂漠以南のアフリカ諸国にとって主要な経済的および政治的なパートナーのうち、英米両国が貿易政策や対外援助政策で以前よりも同諸国を優遇しなくなる可能性がある。

  サハラ砂漠以南アフリカ諸国にとってはEUがダントツの輸出先であり、EU加盟国からの金融支援は米国の対アフリカ援助を約150%上回る。経済協力開発機構(OECD)の統計によれば、EUからのアフリカ支援は、08年の金融危機を受けた長期にわたる財政緊縮期に落ち込んだ後、13-14年に増加した。ユーロ圏経済が再び低迷すれば、対外援助予算の新たな削減や援助実行の保留の可能性も排除できない。

  中国経済が予想外の減速となれば、サハラ砂漠以南アフリカ諸国にとってEUに次ぐ輸出先である同国に絡んだもう一つのリスクとなる。中国は対外直接投資の発信源としても重要さを増しており、国連貿易開発会議(UNCTAD)の16年世界投資報告によると、中国はアフリカ向け海外投資で5番目。中国企業は過去1年間に数件の鉱山資産を買収しており、今後は大幅に地歩を得ると考えられる。中国の対アフリカ投資の大半はインフラ整備事業を対象とした債務による資金調達の形を取り、それは主に中国輸出入銀行から提供される。

  ありがたいことに、中国の見通しが悪化したとしても、政治的な理由で投資資金は流入し続けるかもしれない。中国が進める「一帯一路」と呼ばれる陸と海の新シルクロード構想は、欧州と中東につながる貿易ルートに沿ってインフラ整備事業の資金を充当するもので、中国の外交政策にとってなくてはならない部分だ。このためこうした事業は景気下降に比較的影響されにくく、アフリカでは景気循環に対抗する効果も期待できる。

  外的な諸要因が17年のアフリカ大陸の成長見通しに影響を及ぼす見込みだが、長期的な軌道はサハラ砂漠以南アフリカ諸国がどの程度、現地生産品で輸入品を代替できるかに大きく左右される。このところの景気減速にもかかわらず、アフリカには消費財を中心に他の市場よりも急拡大する潜在力がある。

  消費財は主に中国からの輸入に頼るが、同国での賃金上昇によって、アフリカに製造拠点を置く魅力が高まっている。交通のボトルネックといった労働以外のコストは下がっている。エチオピアとケニアの新鉄道やタンザニアの港湾業務の改善などがそうした例だ。事務管理費も低減している。世界銀行がまとめたビジネスがしやすい国のランキングで、最も改善が見られた上位10カ国にケニアは2年連続でランクインした。残念ながら、アフリカの他の地域での前進はかなりまちまちだ。

  こうした改善が成果を上げつつある兆しも見られる。極めて低い水準からとはいえ、食料・飲料とたばこの製造に向けたゼロから立ち上げの投資は15年に25%増えた。農業の生産性向上の取り組みとともに、さらなる投資がアフリカでの食糧自給率引き上げに重要となる。自動車と輸送機器の製造ための投資は15年に50%増加し、16年もその傾向持続がうかがわれる。南アフリカ共和国は8月、中国企業から過去40年で最大となる自動車関連の投資を確保し、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)は12月にケニアで生産を開始した。

  新政権が誕生するガーナやアンゴラのほか、政権交代の可能性があるケニア、南アフリカなどは、一連の投資をてこに持続可能な成長を実現する好機を得る。このところの商品相場高や債務で資金調達した公共支出による弾みはすぐに勢いを失うと考えられるため、各国は改革を急ぐべきだ。
  
原題:AFRICA INSIGHT: Stamping 2017 With ‘Made in Africa’ Makes Sense(抜粋)

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