ストレステスト(健全性審査)の結果を基に欧州中央銀行(ECB)がイタリアの銀行モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナに要求した増資規模を基準にすると、ドイツ銀行やウニクレディトなど他の欧州10行も資本が不足していることになる。

  イタリア銀行(中央銀行)が29日夜に発表した声明によると、ECBはモンテ・パスキに対し、ストレステストの逆境シナリオで普通株ティア1比率をリスク加重資産の8%に押し上げるだけの資本が必要だと通告した。この8%という数字は、法的に最低限とされる4.5%を大きく上回る。今年のストレステストで合格点は設定されなかったが、2014年の合格点は5.5%だった。

  モンテ・パスキは今年のストレステストで、逆境シナリオ下の普通株ティア1比率がマイナス2.4%となり、対象銀行のうち最低だった。アライド・アイリッシュ銀行の4.3%がこれに次ぐ。

  イタリア政府はモンテ・パスキ救済を計画しており、欧州連合(EU)法ではストレステストで明らかになった不足分をカバーするため公的支援を実施できると定めている。だが、明確な基準がないことはつまり、イタリア政府が欧州委員会に救済の承認を仰ぐ際、不足額をめぐり見解の隔たりが生じる可能性を意味する。

  クレジットサイツで欧州銀行アナリストを務めるジョン・レイモンド氏は「より多くの説明が必要だ」と指摘。「まるで8%という基準が周知されているかのように、ECBは8%への引き上げが必要だと言ってきた。実際、8%はまったく新しい数字だ」と続けた。

  事情に詳しい関係者は、ECBが法的な最低限に3.5ポイント上乗せした普通株ティア1比率を求めたのは、市場の信頼を回復する意図があると述べた。

  今年のストレステストでドイツ銀は普通株ティア1比率が7.8%、ウニクレディトは7.1%。バークレイズ、ソシエテ・ジェネラルもそれぞれ7.3%と7.5%にとどまり、8%には達していない。

原題:ECB’s Monte Paschi Capital Bar Would Trip Up 10 Other EU Banks(抜粋)

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