ユーロ圏に待望のインフレの兆しか、ドラギ総裁には苦悩の種にも

  • 原油価格主導のインフレで域内経済は冷え込むリスクも
  • 追加的な金融刺激策の決定はいっそう難しくなる可能性

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は念願のインフレを味わうことになりそうだが、口当たりは良くないかもしれない。

  ドラギ総裁がほぼ1カ月前に公表したばかりのインフレ見通しは来年、原油高とユーロ安の影響で上方修正される可能性がある。4年近くにわたりインフレ目標を達成できていないECBの政策担当者にとって朗報と言えるが、ユーロ圏経済の弱さを覆い隠すものでもある。

  石油輸出国機構(OPEC)が8年ぶりに減産で合意したこともあり、ブレント原油価格は11月中旬以降に25%を超えるペースで上昇。この原油高は17年の消費者物価上昇率を1.3%としたECBの予測に考慮されていない。

  ブルームバーグのエコノミスト調査によると、1月4日に発表される12月のユーロ圏インフレ率は1%となり、11月の0.6%から大幅に上昇する見込みだ。

  インフレ率がECBの目標とする2%弱に回復する兆しが少しでも見えれば、政策委員会のタカ派メンバーが量的緩和の終了を求め始める可能性がある。ドイツ連邦銀行(中央銀行)のバイトマン総裁は同国紙ビルトが26日掲載したインタビューで、政策引き締めを19年まで待てば「手遅れになる」と警告した。

  エネルギーの純輸入地域であるユーロ圏は、原油高が実際に経済成長を冷え込ませるというリスクも抱える。

原題:Draghi Set for Inflation Boost That May Not Be All He Needs (1)(抜粋)

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