オバマ米大統領が29日、ロシアへの制裁発動に踏み切ったことで、来年1月20日に就任するトランプ次期大統領は難しい選択を強いられることになった。米大統領選に干渉することを狙ったロシアによるとされるサイバー攻撃への対抗措置を撤回するか、同国のプーチン大統領との関係改善を図るという選挙戦の公約をほごにするリスクを冒すかという二者択一だ。

  ロシアの情報機関やその関係者を対象にした制裁と情報部員の追放は米大統領令によるもので、トランプ氏の署名一つで無効にすることは可能だが、共和党の有力議員がオバマ大統領の措置に支持を表明しており、制裁撤回は政治的に困難とトランプ氏の目には映るかもしれない。

  さらに米情報当局は29日、ロシアの関与したサイバー攻撃が、トランプ氏の米大統領選の対抗馬であるヒラリー・クリントン候補にダメージを及ぼす一連のリークにつながったとする証拠を報告書で提示。ロシア側は一切の関与をあらためて否定している。

  米シンクタンク、民主主義防衛財団(FDD)の制裁・違法金融センターでシニアアドバイザーを務めるエリック・ローバー氏は今回の対ロ制裁について、「法的ではないとしても、政治的にトランプ次期政権を追い詰める見通しだ」と指摘。その理由として「新政権が発足して、全ての報告書は間違いで、連邦捜査局(FBI)、中央情報局(CIA)は誤りを犯したと言うのは難しいだろう」と説明した。

原題:Trump Left a Tough Choice by Obama Sanctions on Russian Hacking(抜粋)

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