2016年の日本株はTOPIXが5年ぶりに前年比マイナスとなった。中国の人民元安や英国の欧州連合(EU)離脱による海外経済への懸念から年前半に円高が進み、海外投資家の売りが広がった。ただ、年後半の上昇要因となったトランプ米次期大統領の政策への期待感は強く、来年は上昇するとの見方が多い。

  TOPIXの16年終値は1518.61となり、前年比マイナス1.9%と11年以来の下落。一方、日経平均株価は同0.4%高の1万9114円37銭で、5年連続の上昇。両指数の年間騰落率が分かれたのはブルームバーグ・データによると1971年以降初めて。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長は「原油の急落に伴い財政が悪化した産油国の換金売りや英EU離脱リスクなどがあって下落した。夏場までは日銀の金融政策も限界、アベノミクスも曲がり角というイメージだった。トランプ効果に助けられなければ、安倍政権も黒田日銀総裁も相当批判されただろう」と話した。

  下げの要因は海外投資家の売りだ。海外勢は日本株の現物を1-3月に5兆円売り越し、12月22日時点の年間売越額は3兆7200億円に達している。シティグループ証券の飯塚尚己チーフストラテジストは海外勢の売りについて、円高など外的要因だけでなく「安倍政権誕生によって期待した構造改革が進まず、失望した」とみる。

  一方、11月の米大統領選でトランプ氏の勝利が決まると新政権の財政政策への期待から米長期金利が上昇、為替のドル高・円安が進み、日本株は急速に戻した。TOPIX、日経平均とも16年高値を付けたのは12月だ。三菱モルガンの藤戸氏は「円安効果が大きい。企業業績の上方修正期待が高まり、海外勢の買いが戻ってきた」という。

東証1部業種別指数の騰落状況
東証1部業種別指数の騰落状況

  17年はトランプ氏が掲げる大型減税や大規模なインフラ投資など積極財政政策の実現に向けた道筋が示され、景気浮揚への期待感が高まるとみられる。こうしたなかでは「日経平均は夏までに2万1000-2万2000円へトライする可能性がある」とSMBC日興証券の山田誠エクイティ部長は話した。

米次期大統領トランプ氏
米次期大統領トランプ氏
Photographer: T.J. Kirkpatrick/Bloomberg *** Local Caption *** Donald Trump

  ただ「トランプ氏の政策がほぼ実現するという前提でマーケットは動いているが、大幅なインフラ投資は財源の問題からすると非常に難しく、大幅減税以外は実現が危ぶまれる。酔いが冷めかねない」と藤戸氏は懸念する。夏場にはドイツ選挙などで欧州政治への懸念が強まることも考えられ、「かなり厳しく調整するかもしれない」と藤戸氏はみている。  

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