30日大納会の東京株式相場は、TOPIXが小幅反発。為替の円高推移が一服し、企業業績懸念の後退から電機や精密機器など輸出株の一角が午後に出直った。医薬品や情報・通信株など足元で出遅れていた内需セクターも堅調。半面、商品市況の下落を嫌気し、商社や鉱業、非鉄金属など資源株は安い。

  TOPIXの終値は前日比0.22ポイント(0.01%)高の1518.61。日経平均株価は30円77銭(0.2%)安の1万9114円37銭と3日続落した。

  三菱UFJ国際投信・経済調査部の向吉善秀シニアエコノミストは、「米国での来年の利上げをにらんだ投機筋の円売りポジションの積み上がり傾向から、市場では為替がドル高に傾くとの見方が強い」とし、「為替が一時的に円高に振れる局面があっても、すぐに戻るため、日本株はしばらく崩れにくい」との見方を示した。

東証アローズ
東証アローズ
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  きょうの為替市場では、ドル・円が朝方に一時1ドル=116円5銭と前日の日本株終値時点116円70銭からドル安・円高方向に振れた。29日の米10年債利回りが低下し、薄商いの中でユーロ高がドル売り圧力につながった。しかし、午前半ば以降は一転116円台後半へ円が弱含み推移。

  年明け早々に12月の米重要統計の公表を控える中、向吉氏は「良好だった米フィラデルフィア連銀指数などから判断し、ISM製造業景況指数は波乱がないだろう。新規失業保険申請件数は減少してきており、米雇用統計は良い数字になって失業率も低めになろう」とみている。

  もっとも、商品市況の下落や年末年始を控えた持ち高整理が終日重しとなり、日経平均は9日以来、3週ぶりに一時1万9000円を割り込んだ。ニューヨーク原油先物は、米国在庫の増加を受け0.5%安の1バレル=53.77ドルと9営業日ぶりに反落し、銅市況も下げた。岡三オンライン証券の伊藤嘉洋チーフストラテジストは、「現在はトランプ相場の過熱を冷ます調整局面。このところ3年続けて年始に相場が荒れている」と指摘。米国の対ロシア制裁による政治リスクなども投資家心理を若干冷やし、「様子をみていた向きが手じまい売りやポジション調整に動いた」と言う。

年間騰落TOPIXと日経平均で分かれる、71年以降で初

  2016年の年間パフォーマンスは、TOPIXは昨年末水準の1547.30を上回れず、5年ぶりの下落。年前半の下げを後半の回復で埋め切れなかった。日経平均は昨年末の1万9033円71銭を上回り、5年連続の上昇。TOPIXと日経平均の年間騰落が異なるケースは、ブルームバーグ・データで確認が可能な1971年以降で初めて。

  野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジストは、「年前半は世界景気の回復がおぼつかず、原油安や中国経済懸念も要因となった。しかし、1ドル=100円でも日本企業の競争力の強さが確認された後、秋口からは世界景気全体が持ち直した」と振り返った。TOPIXと日経平均のパフォーマンスの違いについては、「銀行株やトヨタ自動車など大型株が上がり切れなかったことがTOPIXに響いた。一方、世界の景気が戻る中で電子部品やFA関連などが世界の産業を縁の下で支えていることが評価され、日経平均に表れた」とみる。

  東証1部33業種は医薬品や精密機器、電機、食料品、サービスなど15業種が上昇。電気・ガスや鉱業、鉄鋼、海運、非鉄金属、不動産など18業種は下落。売買代金上位では、巨額損失への警戒で前日までの3日間で42%下落した東芝は大幅反発。9カ月決算が営業減益だったアダストリアは大幅安。東証1部の売買高は16億6786万株、売買代金は1兆7125億円。値上がり銘柄数は1071、値下がりは768。

TOPIXの年足チャート
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