中国経済の均衡を図るのが一段と難しくなりつつある。

  中国当局は急成長を維持しながら、過剰な借り入れや高騰する不動産価格の抑制に取り組んでいる。また、米国の金利が上昇する中で人民元下落と資本流出の圧力に対応しているほか、貿易や台湾問題でトランプ次期米大統領と対立するリスクも浮上している。

  事情に詳しい関係者が先週語ったところによれば、共産党中央財経領導小組の会合で、習近平国家主席(総書記)が過度なリスクを伴うのであれば国内経済を2020年まで年6.5%成長させるとの目標を下回ることを容認する考えを示した。中国指導部は17年にリスクを低減させる方針を示している。

深圳の建設現場 
深圳の建設現場 
Photographer: Qilai Shen/Bloomberg

  専門家は中国の来年の成長率見通しを引き上げており、大きな混乱はないとみているが、経済成長を大きく落ち込ませ、金融のシステミックリスクを引き起こす恐れがあるとして、4つの点を警告している。

資本流出の加速

  一つ目は資本流出の加速だ。調査会社アジアアナリティカのマネジングディレクター、ポーリン・ルーン氏(香港在勤)は今年10-12月(第4四半期)の資本流出が2000億ドル(約23兆4000億円)を超え、来年1-3月(第1四半期)には一段と増加すると予想する。

  同氏は米金利上昇やドル高といった理由以上に、より根本的な要因が資本流出を招いていると指摘。元安予想の広がりや突然の政策転換で中国本土内の資金が引き出せなくなる可能性、コストが上昇し成長が鈍化する中で採算性の良い投資機会が不足していることなどをそうした要因として挙げた。

貿易戦争

  2番目は貿易戦争だ。トランプ氏は中国の貿易慣行を頻繁に批判してきたカリフォルニア大学アーバイン校教授のピーター・ナバロ氏を新設の「国家通商会議」トップに起用した。

政策の誤り

  次が政策の誤り。UBSウェルスマネジメントの英投資部門責任者、余修遠氏(ロンドン在勤)はこれを来年の主なリスクとみている。同氏は金融の状況は既に「かなり積極的」に引き締められているとし、引き締め過ぎが最も大きなリスクの一つだと指摘。「こうしたリスクを軽減するには大規模な財政支出が必要になる」と述べた。

不動産価格下落

  最後は不動産価格の下落だ。UBSグループの中国経済調査責任者、汪涛氏(香港在勤)は、不動産市場の低迷で建設や関連投資のペースがさらに減速して経済成長が鈍化すると予想。魅力的な投資プロジェクトが乏しいことから生じるインフラ投資不足が、こうした状況を深刻化させる可能性があると指摘した。

原題:China Fault Lines: Where Economic Turbulence Could Erupt in 2017(抜粋)

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