29日の東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=116円台前半まで下落し、約2週間ぶりのドル安・円高水準を付けた。前日の米国市場で長期金利低下や株安を背景にドル売り・円買いが進んだ流れが継続した。

  ドル・円は午後4時10分現在、前日比0.7%安の116円41銭。朝方に付けた117円26銭から、午後の取引終盤に一時116円31銭まで下落し、14日以来の安値を付けた。

  米10年国債利回りはこの日の時間外取引で一時2.48%まで低下し、14日以来の低水準を付けた。東京株式市場でTOPIXは反落。前日比1.2%安の1518.39で取引を終えた。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部・戦略トレーディング課の池島俊太郎課長は、「ドル・円は米金利低下を受けて調整色が強まっている。昨日の米債利回りの低下は強い入札の結果や月末を控えた株高・債券安のリバランスが要因とみられるが、参加者が少ない中で値幅が出た形となっている」と説明。「ドル・円は目先的に12月12日高値116円12銭程度までの下値リスクはありそう。ただ、ニューヨーク時間に入り、昨日と同様に株高・債券安に対するリバランスの動きがあるか、米7年債入札の結果がどうかといったところが注目されそう」と語った。

  前日の米国市場で10年国債利回りは前日比5ベーシスポイント(bp)低下の2.51%程度で終了。一方、S&P500種株価指数は0.8%安の2249.92。全米不動産協会(NAR)が発表した11月中古住宅販売成約指数は前月比で2.5%低下だった。

  みずほ証券の鈴木健吾チーフFXストラテジストは、「これまで1カ月強の期間に17円超もドル高・円安が進み異常なペースだった。いったん115円近辺への調整が年末年始にあるかなと思う」と指摘した。もっとも、「緩やかな米景気回復、トランプ政権への期待、金融政策の格差を背景に、急激なドル安・円高が進むとは思えない。あくまで急激なドル上昇に対する時間的な調整にすぎない印象」と述べた。

  29日の米国市場では、週間新規失業保険申請件数や11月の卸売在庫などが発表される予定。ブルームバーグ予測調査によると、失業保険申請件数が26万5000件(前週は27万5000件)、卸売在庫は前月比0.2%増(10月0.4%減)が見込まれている。

  JPモルガン・チェース銀行の棚瀬順哉為替調査部長は、29日付のリポートで、「日銀のイールドカーブコントロールの下で、日米金利差の動きが以前に比べて大きくなっていることは、金利差拡大時だけでなく縮小時にも同様に当てはまる」と分析した。

  ユーロ・ドルは同時刻現在、0.4%高の1ユーロ=1.0457ドル。朝方に付けた1.0409ドルからじりじりと水準を上げ、一時1.0465ドルまでユーロ高・ドル安が進んだ。

  欧州では、11月のユーロ圏マネーサプライM3が発表される予定。ブルームバーグ調査では前年比4.4%増が見込まれている。10月は4.4%増だった。

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