29日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は次の通り。

  銀行株:三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が前日比2.2%安の718.4円、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が1.9%安の4470円、みずほフィナンシャルグループ(8411)が2.5%安の209.2円など。全米不動産協会(NAR)が28日に発表した11月の中古住宅販売成約指数(季節調整後)は、住宅ローン金利上昇や在庫不足から前月比2.5%低下した。三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは、米住宅関連指標の悪化でこれまでの長期金利上昇による経済への悪影響が警戒され、景気敏感の金融株が売られたと述べた。

  三井住友トラスト・ホールディングス(8309):4.1%安の4155円。減損リスクが意識される東芝向けの相対的なエクスポージャーの大きさが懸念が広がった。SMBC日興証券は東芝はのれん減損の規模次第で2017年3月期末の自己資本が大幅に毀損(きそん)する可能性があり、主力行にとって与信費用上振れのリスクが高まりネガティブと指摘。三井住友THの自己資本に対する東芝向けエクスポージャーは5.5%とした。

大幅続落の東芝
大幅続落の東芝
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  東芝(6502):17%安の258.7円。米格付け会社S&Pは28日付で長期会社格付けを「B」から「B-」に引き下げた。国内の格付投資情報センター(R&I)もまた、「BBB-」から「BB」に格下げ。SMBC日興証券のクレジットアナリストらは、資金繰りを強く注視しなければならない局面になったと指摘。R&Iの格下げで社債市場への復帰が当面困難となることが予想されると分析したほか、金融機関からの借り入れの財務制限条項に抵触する可能性があるとの見方を示した。米原子力発電関連事業に絡む損失報道があった27日以降の東芝株の累積下落率は42%。

  タカタ(7312):100円(16%)高の707円ストップ高。エアバッグ問題をめぐり、同社と米司法当局が来年早々にも和解すると米ウォールストリートジャーナル(WSJ)紙が事情に詳しい関係者の話として報道。最終的な罰金は10億ドル(約1170億円)近くになる可能性もあるという。

  SUMCO(3436):5.1%安の1514円。同社や信越化学工業(4063)などの半導体ウエハー大手が来年1月から値上げに踏み切ると29日付の日本経済新聞朝刊が報道。本格値上げは11年ぶりで、主力の直径300ミリウエハーの値上げ幅は10%前後のもようだという。東洋証券の浜田享征ストラテジストは、まさに期待で買って、事実で売る話で、足元は値上げ期待で関連株が強含んでいたため、今回の報道で材料出尽くしと受け止められたと述べた。また米フィラデルフィア半導体株(SOX)指数の下げも響いたとみていた。

  鉄鋼:新日鉄住金(5401)が1.7%安の2637.5円、JFEホールディングス(5411)が3%安の1790円など。SMBC日興証券は、鋼材需給は改善傾向だが、大幅な値上げを後押しするほど逼迫感はみられず、値上げの進ちょくは芳しくないと指摘。業種判断は弱気とした。現在の高炉各社の株価は直近のピーク経常利益の7-8割水準までの業績回復をすでに織り込んでいるとの見方も示した。

  レーザーテック(6920):4.8%高の2242円。野村証券は28日付で目標株価を1813円から2711円に引き上げた。投資判断は「買い」で継続。半導体やフラットパネルディスプレー製造装置の市場環境は週を追って改善しているとみて、18年6月期営業利益予想を55億8000万円から57億円に上方修正した。17年6月期は会社計画37億円を22%上回る45億1000万円を予想。 

  宝印刷(7921):4.1%安の1494円。6-11月期営業利益は前年同期比0.4%減の13億4400万円と28日に発表。決算、開示に関する支援などコンサルティングの受注増加で売上高は1.7%伸びたが、販売促進費など販管費の増加が響いた。17年5月期営業利益計画は前期比7.6%減の14億5000万円で据え置き。

  アスクル(2678):3.8%安の4030円。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は28日付で投資判断を「オーバーウエート」から「中立」に引き下げた。18年5月期は「新」大阪センターの稼働を主因に減益予想でネガティブと指摘。18年5月期営業利益予想を103億円から86億円に下方修正した。同証による17年5月期予想は94億円で、会社計画95億円から若干の下振れを想定。

  パイプドHD(3919):8.4%安の1087円。17年2月期営業利益計画を10億円から前期比43%増の8億3000万円に下方修正すると28日に発表。連結子会社のウェアハートが展開していた女性ファッション誌の通販サイト事業から撤退するため。同事業はコスト面で構造的な赤字体質を改善できない状況と判断した。

  国際石油開発帝石(1605):1.1%安の1180.5円。大和証券は28日付で投資判断を「アウトパフォーム」から「中立」に引き下げた。株価は足元の原油価格や為替相場を織り込んだと判断。同証では17年1月以降は、原油が1バレル=52ドル、為替1ドル=115円で横ばい推移すると想定した。

  アビスト(6087):11%高の3555円。いちよし経済研究所は28日付で投資判断「A(買い)」、フェアバリュー4700円で調査を開始した。3次元CAD(設計システムの1つ)の技術者が9割以上を占め、デザイン性の高い設計が得意と同社を評価。付加価値の高い請負業務の拡大で中期的に成長できると予想した。17年9月期営業利益は15億円と会社計画の13億6900万円を上回るとみているほか、来期は17億円と試算した。

  U-NEXT(9418):4.7%高の607円。人気アニメ「ONE PIECE」の長編劇場版で、ことし7月に公開された最新作「ONE PIECE FILM GOLD」の配信を28日から開始したと発表した。エンターテインメント業界誌の文化通信社によると、「GOLD」の9月時点の興行収入は50億円を突破していた。

  ダイフク(6383):2.7%高の2472円。野村証券は28日付で目標株価を2150円から2900円に引き上げた。投資判断は「買い」で継続。多彩な受注案件や高採算なサービス収益、原価改善努力に注目。17年3月期の営業利益予想を210億円から225億円に増額し、2期連続の最高益更新を見込んだ。会社計画は前期比0.6%増の210億円。

  ハローズ(2742):2.2%高の2400円。3-11月期営業利益は前年同期比20%増の32億5500万円だったと28日に発表。9月以降に徳島市に2店を出店するなど合計店舗数は73店となり、売上高が伸びた。 
 
  アークン(3927):100円(15%)高の750円ストップ高。ビジネスプロセス改善など業務改革に関するコンサルティングを行うパワードプロセスコンサルティング(東京・港区)と資本業務提携する、と28日に発表。提携後は自治体や大企業向けの新規販路開拓などで協力、防災やIoTなどの分野で新製品や新事業の共同開発を行う。

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