政府が経済界とタッグを組み、来年2月24日から「プレミアムフライデー」を実施する。毎月末の金曜日に仕事を早めに切り上げ、買い物や食事、小旅行を楽しんでもらうことで、停滞する個人消費の拡大とともに、長時間労働を是正し、働き方改革につなげることが狙いだ。

渋谷交差点での歩行者
渋谷交差点での歩行者
Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg

  経団連は今月、有給休暇やフレックス制度などを活用し、プレミアムフライデーの日に従業員が早く仕事を終えるよう1300社以上の会員企業に文書で呼び掛けた。日本の労働慣行を変えることは容易ではなく、実際に何社が参加するかは未定だ。同キャンペーンを推進する経済産業省も省内で早く退庁できるかどうか検討している。

  経団連の榊原定征会長は26日の会合で、定時より早めに仕事を終え、日常より少し豊かな時間を過ごす新たなライフスタイルを提案すると述べるとともに、「国民の消費マインドの向上につなげていただきたい」と語った。同席した世耕弘成経産相は2月の制度開始時に「秘書官に午後3時以降の予定は絶対入れないよう厳格に指示をしている。私もショッピングを是非、楽しみたい」とアピールした。
  
  安倍普三政権は国内総生産(GDP)を現行の約540兆円から2020年に600兆円に拡大する目標を掲げている。そのほぼ6割を占めるのが個人消費だ。

  第一生命経済研究所の永浜利広首席エコノミストは「余暇時間が増えると、消費が増えるという明確な関係がある」と指摘。中小企業を含む国内企業の従業員が一斉に午後3時に仕事を終えた場合の余暇消費の押し上げ効果が1日当たり約1240億円に上ると試算する。

  

  しかし、永浜氏は中小企業も含めてすべての会社で同キャンペーンを取り入れることは難しいとみる。早めに仕事を切り上げても、他の日で残業を余儀なくされる可能性もあり、「効果は限定的だ」と言う。

  明治安田生命保険の小玉祐一チーフエコノミストは停滞する個人消費の最大の原因として伸びが鈍い賃金を挙げる。「日本の成長期待が出てこない中、賃上げができにくい環境は続く」と述べ、消費の伸びにも限度があると慎重だ。  

  日本の年次有給休暇の取得率はほぼ半分。もともと日本の祝日は16日間あり、米国やフランスなどよりも多い。未取得の休暇を積極的に消化するだけでも消費の押し上げ効果はあるとの指摘もある。

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