29日の東京株式相場は下落。米国の中古住宅販売の減少や為替の円高推移が嫌気され、電機や自動車など輸出株、鉄鋼や海運株など景気敏感セクターが売られた。米国の金利低下や金融株下落の影響で銀行など金融株も下げ、東証1部33業種中、32業種が安い。

  TOPIXの終値は前日比18.41ポイント(1.2%)安の1518.39と反落、日経平均株価は256円58銭(1.3%)安の1万9145円14銭と続落した。両指数の下落率、下げ幅の大きさは米大統領選直後の11月9日以来。

  三井住友アセットマネジメント・株式運用グループの生永正則シニアファンドマネージャーは、「米金利は急速に上昇してきた。きのうの入札が示したように、この水準になると魅力的な利回りとして買いたい向きも多い」と指摘。相場の大きなトレンドは変わらないが、「年初はボラティリティが高まることが多い。米債売り、ドル買い、日本株買いというこれまでの動きの行き過ぎた部分について、年末を挟み投資家の微調整が出ている」とみていた。

東証プレート
東証プレート
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

  全米不動産協会が28日に発表した11月の中古住宅販売成約指数は、前月比2.5%低下した。住宅ローン金利の上昇や在庫不足が要因。エコノミスト予想は0.5%上昇だった。「米金利は一気に上がり過ぎている。景況感以上に金利が上昇すると、経済にマイナス」と、いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は言う。

  28日の米10年債利回りは5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げ2.51%。きょうの時間外取引では2.5%を割り込み、為替市場ではドル売り・円買いが先行。ドル・円相場はきょう午後の取引で一時1ドル=116円50銭台と、19日以来のドル安・円高水準に振れた。前日の日本株終値時点は117円54銭。

  アイザワ証券投資顧問室の三井郁男ファンドマネジャーは、「米中古住宅販売はピークアウト感が出て、久しぶりに悪い指標」と分析。先週発表の17日終了週の新規失業保険申請件数の増加から判断し、雇用環境もピークに近い動きで、「12月の雇用統計がピークに張り付いてから弱含むことも場合によってはあり得る」とみる。来年1月にかけ、「市場が織り込んでいる良好な米景気の見方と実際の経済との乖離(かいり)がテストされる場面がありそう」と懸念を示した。

  直近の日本株は米景気や企業業績の先行き期待から大きな株価調整に至らなかったが、あすの大納会を前にきょうは下げ足を速め、日経平均は一時300円以上下落。市場参加者の間に今年初は大幅安で始まった記憶が残る中、米国などで製造業や雇用など重要統計の発表が年明けに相次ぐ。三井氏は、日柄調整から値幅調整の局面に移行した可能性に言及、「25日移動平均線近辺の1万8800円程度をいったん試す可能性がある」とした。

  東証1部売買高は22億4914万株、売買代金は2兆796億円、代金の2兆円乗せは4営業日ぶり。上昇銘柄数は342、下落は1571。東証1部33業種は海運、鉄鋼、銀行、証券・商品先物取引、電機、輸送用機器など32業種が下落。食料品1業種のみ小幅上昇。売買代金上位では、国内外の格付け会社による格下げが相次いだ東芝がきょうも下げ止まらず、東芝向け貸出金のエクスポージャーが相対的に高いと一部アナリストが指摘した三井住友トラスト・ホールディングスも安い。

昨年末終値1万9033円に接近
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