トヨタ自動車はフォルクスワーゲン(VW)などディーゼルエンジンで攻勢をかける競合他社に対し、ディーゼルで対抗することを長年にわたり避け、ハイブリッドモデルの推進を欧州では注力してきた。この戦略が、ついに実を結びつつある。

  VWの排ガススキャンダルが明るみに出てから最初の1-12月で、トヨタの欧州ハイブリッド車販売は前年比約40%増加する勢い。トヨタ・モーター・ヨーロッパのカール・シュリヒト執行副社長は2020年になるまでに欧州新車販売の半分以上をハイブリッド車が占めるようになるだろうと見込む。

  トヨタにとって、欧州で苦労していたのは規制の厳格化ではなく、製品のミスマッチだった。日米など主要市場でハイブリッド車「プリウス」の需要が高まり生産を追いつかせるのに精いっぱいだった2010年代初め、ディーゼル車が新車販売の半分以上を占める欧州ではあまり売れなかった。それがVWのスキャンダルでディーゼル車に対する信頼が損なわれた。

  シュリヒト氏はインタビューで「必然に突き動かされた戦略で、顧客と世界にとって正しいものであるならば、極めて強力な力になる」と指摘。トヨタはハイブリッド車戦略を「ある意味やらなければならず、注力するよう促された」と続けた。

  トヨタの欧州での存在感は依然小さい。欧州自動車工業会(ACEA)によると、1-11月のトヨタの販売シェアは約4.3%と、首位VWの24.1%から大きく水をあけられている。だがVWに加えBMW、ダイムラー、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)など、これまでディーゼル車に頼っていた競合はパワートレーンの電動化にかじを切らざるを得ない状況で、トヨタは他社がうらやむ位置に付けている。

  VWの広報担当、エリック・フェルバー氏はディーゼル車に変わってハイブリッド車の販売が伸びていることについて、コメントを拒否した。

  UBSのアナリストらは今月発表したリポートで、ディーゼル車は2025年までにほぼ姿を消し、ハイブリッドや電気自動車が取って代わるだろうと予想。アテネ、マドリード、メキシコ市、パリの各都市は大気汚染抑制のため同年までにディーゼル車を段階的に禁止する方針を打ち出している。

  ドイツで1980年以来トヨタのディーラーを務めるアレクサンダー・ニックス氏は電話で、「ディーゼル車は消えゆく方向へと向かっている。われわれが目にしているのは終わりの始まりだ。排ガス規制がさらに厳しくなれば、ディーゼル車は極めて高価になる。現在でもすでにそれが起きている」と回答した。

  一方、シュリヒト氏はトヨタの欧州販売に占めるハイブリッド車の割合が2020年までに50-60%、年間販売台数は40万-50万台に上っているとの見通しを示す。今年1-11月のハイブリッド車の割合は約32%だった。急成長中の小型スポーツ型多目的車(SUV)市場に満を持して最近投入した「C-HR」は、当初注文の約75%をハイブリッドモデルが占めたという。同車にディーゼルエンジンのモデルは用意していない。

原題:Toyota Hybrid Bet Pays Off as Dieselgate Ignites Europe Demand(抜粋)

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