日本銀行が28日午前の金融調節で超長期ゾーンの国債買い入れを減額した。2週間前に急激な利回り上昇に対して買い入れを増額したばかりだっただけに不意打ちとなった格好だが、市場関係者は超長期債を中心に売られて利回り曲線がやや傾斜化しても、至って冷静に分析している。

  日銀が買い入れた国債の対象期間は「10年超25年以下」と「25年超」。買い入れ額は1900億円と1100億円で、それぞれ100億円の減額となり、市場の需給を緩ませる背景となっている。この日は、財務省による前日の2年物国債入札の実施を受けて、中期ゾーンの買い入れオペを予想する声もあった。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、超長期国債の買い入れ減額は予想外としながらも、「増額したのは金利上昇ピッチが速かったからで、落ち着いたら元に戻し、再び上昇して混乱すれば増やすという姿勢」と分析。「市場も落ち着いた反応で、日銀の思うがままに操られている感じだ」と言う。

  新発20年物の159回債利回りは日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値から横ばいの0.57%で取引を開始したものの、日銀に国債買い入れオペ通知後は0.585%まで上昇。新発30年物53回債利回りは0.71%、新発40年物9回債利回りは0.83%と、それぞれの水準を3ベーシスポイント(bp)切り上げている。

  超長期ゾーンの利回りが急上昇した今月中旬。日銀は、20年国債入札を翌日に控えた14日に「10年超25年以下」と「25年超」のオペをそれぞれ100億円増額し、16日の同ゾーンのオペ実施を予告するなど異例の対応を示した。

  バークレイズ証券の押久保直也債券ストラテジストは、日銀のオペ方針について「今の水準である程度安心感があり、増額したまま金利低下を促すというほどではないのだろう」とし、「来月もこのまま基本的には通常運転で買い入れ額は据え置きというのがメーンシナリオになる」と予想。「超長期ゾーンの利回りにもレンジ観が形成された」と付け加えた。 

日本国債の利回り曲線
日本国債の利回り曲線
Bloomberg

 年内に国債買い入れオペが行われる可能性はあと1回。最終営業日となる30日午後5時には1月分の買い入れ方針が発表される。岡三証券の鈴木氏は、「来月の買い入れオペ方針で減額が発表されるよりはタイミング的に良かった」とした上で、「根底には買い入れを増やしたくない、長いゾーンは指し値オペをしたくないという思いがあるのではないか」として、経済環境に照らし合わせてイールドカーブが傾斜化することには違和感ないと言う。

  
  三菱UFJ国際投信の加藤章夫トレーディング部長は、国債買い入れオペについて「例えば10年債利回りで0.05%や0.06%という水準では日銀も市場も神経質になることもない。一時0.1%が付いたことを考えると、0.08%から0.1%という水準ではオペの動向に神経質になるだろう」とみている。   

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