28日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が上昇。良好な米経済指標を受けた米長期金利の上昇を支えに、一時1ドル=117円台後半まで値を切り上げた。

  午後3時10分現在のドル・円相場は前日比0.1%高の117円57銭。前日の海外市場では一時117円62銭までドル高・円安が進行。この日の東京市場では117円37銭まで弱含んだ後、ドル買い・円売りが優勢となり、一時117円74銭と22日以来の高値を付けた。

  ソニーフィナンシャルホールディングス金融市場調査部の為替アナリスト、石川久美子氏は、「年末ということで、実需の部分が終わってしまうと東京時間はどうしても動きづらくなってしまう。期待をかけるとすれば欧米時間だ」と指摘。トランプ次期政権への期待で「株高・ドル高というムード自体は消えていない」とし、クリスマス休暇から欧州勢が戻ってくる今日も米金利上昇でドルが上昇という流れが続けば、「ドル・円の118円はターゲット内だ」と話した。

  前日の米国債相場は下落。12月の米消費者信頼感指数やリッチモンド連銀およびダラス連銀の製造業指数が市場予想を上回ったことをきっかけに売られた。10年債利回りは2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上げて2.56%。米国株は小幅続伸。ニューヨーク原油先物は過去約4カ月で最長の7営業日続伸となった。

  ブルームバーグのデータによると、円は主要16通貨全てに対して下落。バンク・オブ・アメリカ外国為替本部の岩崎拓也営業本部長は、スポット末日の中、ドル・円は海外時間のドル堅調を引き継いで底堅く、特に材料はないものの、ドル以外の通貨に対しても全般的に円売りが優勢になっていると説明。「モンテ・パスキをはじめとしたイタリア銀行セクターのリスクもあるものの、トランプラリーの流れを遮る材料になってはおらず、このまま調整前のトレンドに回帰していきそうな感じになっている」と話した。

  ユーロ・円相場は1ユーロ=122円台後半から19日以来の水準となる123円25銭までユーロ買い・円売りが進行。同時刻現在は123円18銭前後となっている。また、ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.04ドル台半ばから一時1.0480ドルと22日以来の水準まで値を切り上げた。

  欧州中央銀行(ECB)は、イタリアの銀行モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナのバランスシート強化で約88億ユーロ(約1兆800億円)の資本が必要との判断を示した。ECBが考える資本必要額は、モンテ・パスキが不調に終わった増資計画で想定していた約50億ユーロを大きく上回る。

  SBI証券市場金融部の相馬勉部長は、ユーロ・ドルは「クリスマス前の下げ相場の調整の動き」だが、モンテ・パスキの増資問題などもあり、ECBは緩和政策の転換になりづらく、来年に仏独などの選挙を控えて政治的不透明感がくすぶる中、特にユーロを買う理由はないと指摘。「長期的には一段と下を試す流れ」と語った。

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