数千億円規模の減損損失が生じる可能性があると発表した東芝株は28日、ストップ安まで売られた。不正会計問題の処理により株価も上昇基調だったが、2日連続の急落となった。

  28日の株価は、値幅制限いっぱいの80円(20%)安の311.6円で取引を終えた。ブルームバーグの集計データによると、1974年9月以降では最大の下落率となる。

  27日の発表によると、15年末に米子会社を通じて買収を完了した原子力発電関連の建設・サービス会社の取得価格と純資産の差にあたる「のれん」が数千億円規模に上り、10ー12月期決算で全額を減損処理する可能性がある。

会見で謝罪する綱川社長(都内、27日)
会見で謝罪する綱川社長(都内、27日)
Photographer: Kiyoshi Ota/Bloomberg

無償で取得

  広報担当の沼田知之氏によると、買収した米社は当時債務超過に陥っており、東芝は無償で取得した。のれんは約105億円と想定していたが、精査したところ、資産価値が当初想定を大きく下回った。不正会計問題からの立て直しを進める中、東芝は原子力事業を主力事業と位置づけていた。

  「海外子会社のガバナンスができていない」とSMBC日興証券投資情報部の太田千尋部長は指摘。不正会計の影響で特設注意市場銘柄に指定されているため、公募増資による資金調達は難しく「前期までの損失計上で自己資本が相当厳しくなっているところに、さらに追い打ちをかける損失計上」だと述べた。

  東芝は15年春に発覚した不正会計問題の影響で財務状況が悪化、家電事業や医療機器子会社を売却するなどして財務改善に取り組んできた。スマートフォン向けメモリーなどを手掛ける半導体事業は好調だったが、半導体と並ぶ主力分野の原子力事業が再建への足かせとなる。原子力事業は前期にも約2500億円ののれん減損を計上している。

債務超過

  綱川智社長は27日の会見で大規模な減損処理で債務超過になる可能性に関連して「資本政策を含めて対応を検討している」と語った。また平田政善最高財務責任者(CFO)は金融機関に支援を要請する考えも示し、10ー12月期決算を発表する来年2月中旬までに損失を確定させたいと述べた。

  11月の発表によれば、9月末時点の東芝の株主資本は約3600億円、株主資本比率は7.5%だった。17年3月末の純利益は1450億円と予想していた。

  格付投資情報センター(R&I)は28日、東芝の格付けを「BBB-」から投機的等級とされる「BB」に2段階引き下げた。R&Iは「財務基盤が深刻な状態に陥る懸念が生じた」とした上で、「原子力発電事業が抱えるリスクの表面化は全社の事業リスク評価にマイナス影響を与えた」と説明した。

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